【超入門！ざっくり家づくり講座】＃21「ニッチとは？大きさや場所に決まりはあるの？」

2021.12.16家づくり講座

こんにちは、山梨県甲斐市のひかわ工務店です。
お洒落な家、住みやすい家などで検索すると、リモコンニッチやスパイスニッチなどの「ニッチ」という単語をよく見かけますよね。
今回は、「ニッチ」が何を指しているのか、規格などの決まりがあるのかなどを解説いたします！

▼前回はこちら（バックナンバーは最下部にあります）
＞＞＃20「耐震・制震・免震の違いって？どれがいちばん良いの？」

▼POINT1：ニッチに定義はあるの？
今のところ、ニッチというものに法的な定義や基準はありません。
建築業界では、“壁を凹ませて作った棚”をニッチと呼んでいます。棚板を入れていない、壁をくり抜いて壁紙で仕上げた状態のシンプルなものもニッチと呼ぶことができます。

ただ、あまり大きなくぼみはニッチと呼ばれないイメージです。例えばひかわ工務店モデルハウスの玄関にはこういった凹みスペースがありますが、この場合は大きさもあり、床まであるので棚というイメージもなく、単純に「くぼみ」です。

▼POINT2：ニッチを作るメリットは？
ニッチの最大のメリットは、さりげなく収納スペースを設けられる「スッキリ」とした見た目です。壁面に埋め込まれているため悪目立ちせず、お子様が飛び出した棚板に頭をぶつける心配も少ないので安心できますね。

ちなみに冒頭に出てきた「リモコンニッチ」は、インターホンのモニターやお風呂の給湯スイッチ、電灯スイッチなど壁付けのリモコン類を一か所に集めたニッチのことを指しています。リモコンが壁から出っ張らずにスッキリと設置できるのが魅力です。

「スパイスニッチ」はキッチンのコンロ脇や、シンク周りの立ちあがっている壁などに作った調味料（スパイス）を置けるような大きさのニッチのことで、スペースの限られているキッチンの中で収納を増やせることなどから人気を集めています。

最近では、アーチ型のニッチや、三角屋根の家の形をしたニッチ、十字型のニッチなど、印象的な形のニッチも好んで採用されるようになりました。
内部にダウンライトをつけて「ディスプレイ」として使ったり、トイレの手洗い器用にニッチを作ってカラフルなタイルで飾ったりと、「あえてニッチを目立たせる」アイデアも人気のようです。

▼POINT3：ニッチを作る際の注意点は？
壁を凹ませて作るニッチですが、壁があればどこにでも作れるというわけではありません。例えば以下のような場所は注意が必要です。

・外壁面（外壁に面している壁）
外壁に面している壁の中には断熱材が入っており、ニッチのために壁を凹ませた部分があると断熱欠損が生じ、断熱性能を低下させてしまうため外壁面にニッチを作るのはNGです。

・筋交いのある内壁（耐力壁）
内壁であれば断熱材が入っている壁はほとんどありませんが、構造的な要所には筋交い（柱と柱の間に斜めに打ち付ける部材）の入っている壁があります。
この場合は筋交いを避けるように壁を削ることでニッチを作ることができますが、筋交いや柱を傷つけると構造強度に支障をきたすため、DIYで作るのはNGだと考えた方が良いでしょう。

・耐力面材の内壁（耐力壁）
耐力面材を使っている壁も、筋交いのある壁と同じく耐力壁の一種で構造的な要所に設けられます。こちらも大きな穴を空けると構造強度に関わるため、ニッチを作ることはおすすめできません。