【超入門!ざっくり家づくり講座】#28「浄化槽、浸透桝(ます)って何?公共の下水道が通っていない地域では必須なの?」

家づくり講座

ざっくり解説 浄化槽・浸透桝とは?

こんにちは、山梨県甲斐市のひかわ工務店です。
皆さんは土地探しの際に、「浄化槽」や「浸透桝(ます)」という言葉を見かけたことはありませんか?
どちらも排水に関する設備のことなのですが、家づくりを始めるまではあまり聞き慣れない言葉ですよね。
今回は、浄化槽と浸透桝についてざっくりと解説していきます!

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POINT1:浄化槽は家庭用の小さな下水処理場

浄化槽 蓋

現在新たに設置される浄化槽はすべて「合併浄化槽」というもので、トイレやお風呂、キッチンなど家から出るすべての汚水と生活排水を浄化槽に流し、槽内に住まわせたバクテリアの働きによって浄化するという役割を持っています。

周辺に市町村が管理する「公共下水道」が整備されていれば、その配管に汚水と生活排水を流して下水処理場に送ることができますが、市街化区域の外など公共下水道が未整備の地域では、下水処理場までの「道」がありません。
そのため、自分の家の敷地内に小さな下水処理場である「浄化槽」を埋設する以外に汚水や生活排水を処理する方法がないのです。

※市街化区域……都市計画法によって、計画的に開発が進められるエリア。詳しくは、前回のざっくり家づくり講座をご参照ください。

POINT2:浄化槽は高い?安い?設置費用点検費用の目安

浄化槽 点検 義務

合併浄化槽の大きさには5人槽、7人槽、10人槽の3種類があり、家の規模・住む人数によって最適なものに決定されます。
核家族世帯の場合は5人槽になることが多いのですが、浄化槽の本体費用・工事費用は設置業者によって異なる上に、自治体からの補助金等も場所によって内容が異なるため、設置費用全体の負担額が30万円ほどで済む場合もあれば、50万円以上になる場合もあり得ます。

その他にも、浄化槽の浄化機能を維持するために点検業者清掃業者との契約、法定検査の実施などの維持費用がかかります。これも業者によって作業費の設定が異なるため差がありますが、年間で大体3万円~5万円ほどになることが多いようです。

「公共下水道が使える土地と浄化槽の土地、どちらの方が安く住めるか」については、住んでいる自治体の下水道料金や、浄化槽管理費への補助金の有無など条件によって大きく変わるため、土地探しの際に不動産屋さんや施工会社に詳しく聞いてみることをおすすめします。

POINT3:浄化された水はどこへ?浸透桝(ます)の役割

浸透桝 蓋

浄化槽によって浄化された水は、道路側溝が整備されている場合は側溝から河川へ放流され、道路側溝がない場合は自宅敷地内に埋設した「浸透桝」を使って土に還されます。
浸透桝はその名の通り「桝(ます)」です。浄化槽によって浄化された排水を浸透桝に貯め、底に敷いた砂利から地盤へと水を浸透させていきます。

ちなみに庭の数か所に設置される「雨水浸透桝」という雨天時用の浸透桝も、同じように雨水を桝に貯めて土へ浸透させるためのものです。

POINT4:浄化槽や浸透桝が必要な土地の見分け方

売り土地情報のイメージ

浄化槽を設置している家庭では、バクテリアを守るために洗剤の種類を気にかけたり、一気に水を流さないよう気を付けたりと住まい方にも何かと気を遣うため、排水のことをあまり深く考えずに済む公共下水道のある土地を希望する人も少なくありません。

浄化槽や浸透桝の設置が必要な土地か、公共下水道が通っている土地かの見分けをするには「売り土地情報」の「排水」「設備」「備考」などの欄をチェックします。
分かりにくい名称で書かれている場合は、その売り土地情報を出している会社に問い合わせてみると確実ですよ。

周辺エリアの相場(土地の坪単価)より少し安く売られている土地の場合は、浄化槽の設置が必要だったり、奥まった場所にあって道路側溝が遠いため浸透桝での排水が必要だったりと、追加の費用が掛かるために土地価格を抑えているケースもあります。
適切な資金計画のもとで家づくりをするには、土地の販売価格だけでなく、その土地の状況から「結局いくら払うのか」をしっかり見極めなくてはなりません。

一緒に家づくりをする施工会社や不動産屋さんに何度でも質問して、後悔のないように家づくりを進めていきましょうね!

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