対談コラム
【2024年版】【超入門!ざっくり家づくり講座】#28「浄化槽、浸透桝(ます)って何?公共の下水道が通っていない地域では必須なの?」
家づくり講座
こんにちは、山梨県甲斐市のひかわ工務店です。
皆さんは土地探しの際に「浄化槽」や「浸透桝(ます)」といった言葉を見かけたことはありますか?
どちらも排水に関する設備のことですが、家づくりを始めるまではあまり聞き慣れない言葉ですよね。
今回は浄化槽と浸透桝についてざっくりと解説していきますので、ぜひ参考にしてくださいね♪
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POINT1:浄化槽は家庭用の小さな下水処理場
現在新たに設置される浄化槽はすべて「合併浄化槽」というもので、トイレやお風呂、キッチンなど家から出るすべての汚水と生活排水を浄化槽に流し、槽内に住まわせたバクテリアの働きによって浄化するという役割を持っています。
※平成13年までは単独浄化槽という、し尿のみを浄化して放流する浄化槽も使われていましたが、洗剤などを浄化せず放流してしまうことから現在は新設を禁止されています。
土地の周辺に市町村が管理する「公共下水道」が整備されている場合は、その配管に汚水と生活排水を流して下水処理場に送ることができるのですが、市街化調整区域※の外など公共下水道が未整備の地域では、下水処理場までの「道」がありません。
そのため、自分の家の敷地内に小さな下水処理場である「浄化槽」を埋設して、汚水や生活排水を自ら処理するしかないのです。
※市街化調整区域……都市計画法によって、計画的に開発が進められるエリアのこと。詳しくはこちらのブログをご覧ください。
POINT2:浄化槽は高い?安い?設置費用や点検費用の目安
住宅用の合併浄化槽の大きさには主に5人槽、7人槽、10人槽の3種類があり、家の規模と住む人数に合わせて最適なものに決定されます。
核家族世帯の場合は5人槽になることが多いと思いますが、浄化槽の本体費用・工事費用は設置業者によって異なる上、自治体からの補助金の有無によっても総額が変わってきます。
そのためあくまで目安にはなりますが、設置費用全体の負担額が安くて50万円ほど、高ければ100万円以上になることもある、というイメージです。
浄化槽の維持にかかる費用としては、浄化機能を保つための点検業者や清掃業者との契約、法定検査の実施などがあります。これも業者により作業費の設定が異なりますが、年間で大体3万円~5万円ほどになることが多いようです。
「公共下水道が使える土地と浄化槽の土地なら、どちらの方がトータルで安く住めるか?」については、住んでいる自治体の下水道料金や浄化槽管理費、補助金の有無など条件によって大きく変わります。
土地探しの際に不動産屋さんや施工会社に詳しく聞いてみるのがおすすめです。
POINT3:浄化された水はどこへ?浸透桝(ます)の役割
浄化槽によって浄化された水は、道路側溝が整備されている場合には側溝から河川へと放流されます。
一方で周辺に道路側溝がない場合は、自宅敷地内に埋設した「浸透桝」を使って排水を土に還していきます。
浸透桝はその名の通り「桝(ます)」になっていて、浄化槽によって浄化された排水を溜め込み、底に敷いた砂利から地盤へと徐々に水を浸透させていく仕組みになっています。
ちなみに庭の数か所に設置される「雨水浸透桝」という雨天時用の浸透桝も、同じように雨水を桝に貯めて土へ浸透させるためのものです。
POINT4:浄化槽や浸透桝が必要な土地の見分け方
浄化槽を設置している家庭では、バクテリアを守るために強い洗剤(キッチンハイターなど)が使えなかったり、一気に大量の水を流さないように気を付けたりと、何かと住まい方に気を遣います。
そのため、排水のことをあまり考えなくて済む公共下水道のある土地を希望する人も少なくありません。
浄化槽や浸透桝の設置が必要な土地か、公共下水道が通っている土地かの見分けをするには「売り土地情報」の「排水」「設備」「備考」などの欄をチェックします。
よく見ると「排水:浄化槽」などと記載がありますよ。
分かりにくい名称で書かれている場合は、その売り土地情報を出している会社に問い合わせみると確実です。
周辺エリアの相場(土地の坪単価)より少し安く売られている土地の場合は、浄化槽の設置が必要だったり、奥まった場所にあって道路側溝が遠いため浸透桝での排水が必要だったりと、追加の費用がかかるために土地価格を抑えているケースもあります。
適切な資金計画のもとで家づくりをするためには、土地の販売価格だけでなく、その土地の状況から「結局いくらかかるのか」を把握しなくてはなりません。
一緒に家づくりをする施工会社や不動産屋さんに何度でも質問して、不透明な部分のない資金計画を立てていきましょう!
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