家づくりコラム
【はじめに読むコラム】高性能だけでいい家はつくれない?未来を生きるための家に必要…

家づくりコラム

こんにちは、山梨県甲斐市のひかわ工務店です。
せっかく家を建てるのなら、金銭的にも生活のしやすさにおいても少しでもラクにしたい、いい家を建てたい!と思いますよね。
「いい家」の定義は人によって異なりますが、SNSを見てみると「気密性・断熱性」が”いい家かどうかを測るものさし”と考えられているように感じます。
しかし、これからの家は「高気密・高断熱なだけ」で快適に暮らせるとは言い難いのです。
人生を左右するほどの大きな金額を使って「高気密で高断熱なだけの家」を建ててしまうのは、とても勿体ないのではないか……と、私たちは思います。
今回のブログでは、この先の未来を気持ちよく暮らしていくための住宅には何が必要なのか、どうやって実現するのかを解説していきます!
家づくりをこれから始めるという人や、始めたばかりという人もぜひ、家づくりの入門心得として読んでみてくださいね♪
【目次】
数値だけよくて住み心地のよくない家は「あるある」
安定した断熱性とはどんなもの?
実測できる「気密性」は施工精度に左右される
ヒートショックはなぜ近年に建てた住宅でも起きるのか
換気システムを上手に使って省エネに暮らす未来


先ほど出てきた「高気密で高断熱なだけの家」とは、一体どんな家だと思いますか?
気密性も断熱性も数値上はいいはずなのに、夏は暑いし冬は寒くて、電気代も高いまま。
思い描いていたような暮らしができない家は、実際に日本中で建てられているんです。
現代の住宅業界には、高性能住宅=ZEH基準やHEAT20などの基準値をクリアすること、と考えて家づくりを進めていく会社も相当数あります。
しかし本来は、そうした基準値をクリアできるような高い気密性、断熱性は「手段」のひとつであり、それ自体が目的ではないはずです。
高性能住宅をつくること=高気密・高断熱を土台にして、人が身体的にも精神的にも、経済的にも豊かで健やかに暮らせる家をつくること
そのために、安定した断熱性と気密性を叶えるための施工技術、より省エネに住環境を整えるための設備選び、気密性や断熱性と切っても切り離せない関係にある「24時間換気」の綿密な計画、すべての要素を不足なく引き出すための間取り設計……さまざまな手段を尽くすのが、現代にあるべき「家づくり」なんです。
住宅の断熱や省エネに関する基準は数年ごとに引き上げられ、今の「高水準」も近い将来には「最低ライン」へと改定されていきます。
老後のため、子育てのため、介護のため……理由は異なれど、今から建てる家で何十年という長い期間を穏やかに暮らすためには「基準値のクリアだけ」を目的にしてしまうのは心もとないと思いませんか?


一般的な断熱材の施工では、温湿度の変化による木の収縮によって少しずつスキマが生じ、そのスキマは時間経過とともに大きくなっていってしまいます。
その結果、家の完成から数年後には断熱性能・気密性能ともに低下してしまっているケースも少なくありません。
安定した断熱性の実現とは、木の収縮や湿気の侵入等による断熱の能力低下を”体感できないレベルまでに抑える”ことです。
ひかわ工務店の場合は高性能グラスウールの弾力性に着目し、場所に合わせて施工方法を工夫をすることで、木の伸縮に追従してスキマをつくらない「安定した断熱性」を実現しています。
ちなみに言うと断熱材と内壁の間に「防湿シート」も貼っているので、壁内の結露を防ぐ&外気から湿気とともに熱が移動してくるのも防いでいるんですよ。
こうして安定した断熱性を確保できれば、
「建てたばかりの頃はよかったけど、今じゃ冬は冷えるようになってきたね」
という環境に陥ることも回避できるようになります。


気密性を数値で表すことのできる「C値」は、断熱性を表すUA値と異なり”実測値”です。
そのため、設計上はC値が高いはずなのに測ってみたらそうでもない……なんてことも起きてしまいます。
車の燃費に例えると、UA値の方は設計内容を計算して導き出されるため、ちょっと実用性の低い「カタログ値」のニュアンスに似ています。
C値の方は実際に完成後の家で気密測定を行うので、生活に基づいた「実燃費」に近いイメージ。
C値の高さ=気密性の高さを叶えるには、設計の実力だけでなく、施工技術の高さ・正確さも必要になってくるんです。
気密性に関しては、C値が高い(0.36㎡/㎡以下)家を確実に建てられる施工会社であるかどうかがひとつの目安になる、と言えますね。
HP上でC値を公開していない会社も多いため、見学会などで直接会って話せる機会に確認してみるのがおすすめです。
ひかわ工務店でも一邸一邸のC値は公開していませんが、2020年に標準仕様をリニューアルして以降、全てのオーナー様邸の気密測定でC値0.36㎡/㎡以下をクリアしていますよ。
※ひかわ工務店では独自基準としてC値0.36㎡/㎡以下、UA値0.46W/㎡・kの基準値を設けています。
気密性の高さは、換気計画が機能するかどうかにも大きく影響します。
これについては、この後の「換気システムを上手に使って省エネに暮らす未来」の項目で詳しく解説いたしますね。
C値のことや、なぜC値0.36㎡/㎡以下が目安になるのかなど詳しく解説した記事はこちらです!


浴室内でのヒートショック事故による死者数は、交通事故による死者数の6~7倍にのぼります。
そして、これだけ「高気密高断熱」を謳う家が増えているのにもかかわらず、浴室内溺死の死者数は増加傾向にあるんです。
高齢者の人数が増えていることを加味しても、この事実は「性能のいい家を建てればヒートショックは防げる」とは言い切れないことを示しています。
そもそもヒートショックとは、ざっくり言うと「温度差を身体に受けて血圧が急激に上下することで起きるショック症状」を指します。
自覚症状がなくても血管にダメージを蓄積していたり、場合によっては意識を失い転倒・溺水、心筋梗塞や脳卒中などの事故(ヒートショック事故)や急病に見舞われたりしてしまうのです。
つまり、ヒートショックの原因は「家の性能の良し悪し」だけでなく「温度差のある暮らし方」にもあるということ。
特に寒い時期になると、日本に古くから浸透している「今いる場所だけ暖める」=局所暖房で電気や燃料を節約する、という暮らし方をする人も多いと思います。
性能のいい家を建てたとしても、進んで”局所暖房の暮らし方”をしていたら……
局所暖房しているリビング(23℃)→暖めていない脱衣所・浴室(10℃前後)→湯船(40℃)
という日常的な移動で、大きな温度の変化を身体に受けてしまうんです。
実際には浴室でシャワーを浴びてから湯船に浸かる人が多いのでもう少し温度変化が緩やかかもしれませんが、一般的には10℃以上の温度差でヒートショックのリスクが上昇し、15℃以上の温度差を受けると危険と言われています。
もしも、きちんと快適に暮らせる高性能住宅で家全体を暖める暮らし方ができれいれば……
リビング(23℃)→脱衣所・浴室(23℃)→湯船(40℃)
先ほどと比べたら、かなり温度差が緩和されましたよね。
シャワーを浴びて身体を慣らす工程が入れば、ヒートショックの起きる可能性が低い温度差まで縮めることができます。
たとえ今日完成したばかりのおうちでも、温度差を受ければヒートショックは発生します。
重要なのは、家全体の温度差をなくして、それを省エネに持続しつづけることなんです。
ヒートショックについて詳しく説明した記事はこちら!


はじめの段落で、高気密・高断熱は本当にいい家を建てるための「手段のひとつ」だとご説明しました。
「高気密で高断熱なだけの家」では、ヒートショックの心配なく快適に暮らすことが難しいことも、ご理解いただけたのではないかと思います。
ひかわ工務店の考える「この先の未来を気持ちよく暮らしていくための家」に必要なのは、
①安定した高気密・高断熱という揺るぎない土台
②省エネ性の高い換気システム
③家全体の空気の流れをコントロールできる設計と換気計画
の3つ。さらに、
④太陽光発電システム
⑤蓄電池
も組み合わせることで、毎月の光熱費を安定して抑えることもできます。
24時間換気が義務付けられたのは、住宅の高気密化によって自然換気だけでは空気が十分に入れ替わらなくなったから。
そのため換気システムを使って、全ての部屋の空気を2時間ごとに入れ替えられるペースで換気を計画する必要があります。
高気密・高断熱なだけで、空気の動かない家では快適に暮らすことができないんです。
そして「換気」は、気密性に大きく依存します。
すきま風があちこちから流れこんでくる家では、設計時に立てた「換気計画」の通りに換気を行うことができません。
空気の動く場所では常に新鮮な空気が流れている一方で、空気の留まる場所に は汚れた空気が滞留している状態です。
理想的なのは「無駄のない経路で空気が出ていき、適温に近い空気が入ってくる」空気の動線。
この時必要なのが「省エネ性の高い換気システム」なんです。

ひかわ工務店の標準仕様として選んだ換気システムの「DSDD」シリーズを例にしてご説明しますが、DSDDシリーズの場合は「入ってくる空気を適温に近づける」ことを地中熱を利用して実現しています。
地中は夏はひんやり、冬はじんわりと心地よさを感じる快適な温度を保っています。
DSDDシリーズは外気を取り込んでフィルターを通したあと、地中のダクトを通過することで「適温」に近づけ、床下空間で慣らしてから各部屋へと供給する仕組み。
熱いお茶をコップに注ぐと、コップの表面温度でほどよい温度に下がるあの現象を利用しているんです。
ここでさらに合わせ技として効いてくるのが断熱性(≒保温性&保冷性)。
すべて揃うと、大げさな冷暖房機器を使わなくても家じゅうを365日24時間快適に保つことができるようになります。
ひかわ工務店の場合は、換気計画・空調計画を立てて必要な場所に6畳用のエアコンを数台(家全体で3~5台)設置します。
全てのエアコンを常に稼働させているわけではなく、季節に合わせて1、2台を稼働させるために設置場所を考えています。
その1、2台もフルパワーで稼働するわけではなく、弱運転で十分です。
ひかわ工務店の家での暮らし方をご紹介した記事はこちら!
こうした「暮らしやすさ」をきちんと叶えられる高性能住宅が、これから先の未来を生きるための家であるべきだと、ひかわ工務店は考えます。
今は「かなりいい家」でも、いつかは「標準的な家」になる。その未来を信じているからこそ、多くの人が安心して暮らせる未来仕様の家をつくりたいんです。
これから家づくりを始める人たちが目の前にしているのは、一世一代の大きなお買い物。
よりよい家を建てたいと思っても、予算とのバランスがとれないこともあると思います。
このブログを最後まで読んでくださっている皆さんにとって「初期投資にお金をかけること」がメリットになるかデメリットになるのか、慎重に考えていただきたいと思っています。
自分だけでは考えが煮詰まってしまう……と思ったらぜひ、プロの手を借りてみてくださいね。
エアコンの使い方、蓄電池の活用方法についてはこの記事もチェック!

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