【超入門!ざっくり家づくり講座】#58「見た目は木なのに全然違う?木目シート、突板、挽板ってなんのこと?」

家づくり講座

フローリング 木目 突板 挽板

こんにちは、山梨県甲斐市のひかわ工務店です。
おしゃれな家の投稿を眺めていると、よく「木目調」や「突板仕上げ」なんて言葉を見かけませんか?

見た目は木の模様をしているけれど、どうやら本物の木ではないらしい……?そんな“木っぽい物のナゾ”について、ざっくり解説していきます!

\今回ざっくり解説するもの/
木目シート
突板(つきいた)
挽板(ひきいた)

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前回のざっくり家づくり講座

これまでのざっくり家づくり講座

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POINT1:木目調は「木目シート」仕上げのこと!

床 フローリング 子どもの足

木目調」とは、樹脂などある程度強度のある素材でできた“はくり紙”に木目のプリントを施した木目シート」で表面を仕上げたデザインを指しています。

身近な物で言うと、カラーボックス折り畳みテーブル、既製品の扉など、若干の人工物っぽさを感じる冷たい手触りのものに多い印象です。

例えばカラーボックスであれば、MDFやベニヤ板などの加工木材を使って作り上げたボックスに、仕上げとして木目シートを貼りつけています。

木目シートのデザイン次第で「ナチュラルブラウン」「ダークブラウン」など多様なバリエーションを作ることができ、土台となる加工木材も比較的安価なため、木目シート仕上げの家具はお手頃価格に感じられるものが多くなっています。

※MDF……木材を繊維状に粉砕したものに合成樹脂を加え、プレスして成型された木質ボードの一種。見た目はコルクに似ていて滑らかです。

※ベニヤ板……丸太を大根の“かつら剥き”のように剥いて切り出した薄い板。ちなみにベニヤ板を、繊維の方向が交互になるよう重ね合わせたものを“合板(ごうはん)”と呼びます。

安価とはいえ木目シートのデザイン性は年々精度を上げていて、浮造り(うづくり)という“木目を際立たせるように表面を加工する”手法を応用するなど、木目シート独特の人工物感が抑えられてきています。

プリント面が汚れに強く、撥水性もあるので、木目シート仕上げの製品を好む人も多いですよね。

POINT2:突板には0.5mm前後の超薄い無垢材が使われている!

板 テーブル 木目

突板(つきいた)」は、無垢材を0.5mm前後のシート状に薄くスライスしたものを芯材(MDFやベニヤ板など)に張り付けた木材を指しています。
木目シートと同様に、MDFなどで作った家具等の表面に突板を貼り付けると「突板仕上げ」となります。

表面が無垢材=木そのものなので、比較的安価に木の風合いを出すことができるのが突板仕上げのメリットです。
大抵の場合はクリア塗装かオイル塗装を施して、簡単に水が染み込まないよう工夫します。

※クリア塗装……透明な塗料を使って無垢材を保護する塗装方法。自然塗料やウレタン塗料など、種類によって異なるメリットがあります。

※オイル塗装……主に植物系の油脂を無垢材に染み込ませて保護する塗装方法。オイルで木を飽和状態にするので水が染み込まないという仕組みです。

POINT3:挽板(ひきいた)には3mm前後の薄い無垢材が使われている!

リビング 拭き抜け

挽板(ひきいた)」は、突板よりも分厚い3mm前後に切り出した薄い無垢材を芯材に貼り付けた木材です。
突板よりも無垢材の部分が分厚いため、木の風合いに深みが増して強度も高くなるのがメリット。

ちなみにひかわ工務店の家で標準採用している「三層フローリング」は「挽板仕上げ」になっているため、見た目も手触りも無垢材そのものなのに変形・変質しにくいという“いいとこ取り”なフローリングなんです。

無垢材は天然ものなので品質にバラつきがありますが、挽板の場合は“ほぼ無垢”なのに品質が安定しているのも大きなメリットですね。

POINT4:どう使い分ける?木目シートor突板or挽板、無垢材との使い分けも

木目シートを使いたいシーンとして最も多く挙げられるのは、コストを抑えたい場合です。
特にフローリングや建具、ダイニングテーブルなど大きなものは金額差も顕著になります。あまり値が張らず、汚れも落としやすい木目シート仕上げのものを選ぶメリットは大きいですよね。

突板と挽板は、その分厚さの違いが用途を分けます。
木目シートよりも本物らしい質感を求める場合は突板仕上げのものを、質感に加えて強度が必要な場合には挽板仕上げのものを使うことが多くなります。

例えば
・サイドテーブルの天板→突板仕上げ本物らしくおしゃれに
・リビングの扉→挽板仕上げで突板より頑丈に、無垢材より軽量に
というように使い分けることができます。

扉 キッチン 床 フローリング

突板や挽板は必ずしも「無垢材の代替品」であるとは限らず、無垢材にできない軽量化や、変形リスクの軽減を叶えることのできるハイブリッドな木材であるとも言えます。
無垢材では大きさが足りない場所にも、突板や挽板なら対応可能です。(無垢材同士を接着して使う無垢集成材というものもあります)

適材適所」という言葉の通り、明確なランク分けがあるわけではなく「この使い方なら、これが一番いい」というケースごと、その人ごとの適切な木材を選ぶことができるようになっているんですね。

家づくりの中でフローリングや建具、家具など木でできたものを選ぶ場面に出会った際には、ぜひ“木目シート仕上げ・突板仕上げ・挽板仕上げのどれが自分にとって適材適所になるかな?”と考えてみてください♪

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ひかわ工務店では無垢材を使った家具等もコーディネートしますが、フローリングや建具まで何もかも無垢材にするのが良いとは全く考えていません
安全性や意匠性、コストとのバランスを考えて、その場に最も適したものを使うことが「建ててよかったと思える家」をつくる重要なポイントになると思うのです。

ひかわ工務店の家がどんな風に仕上がっているのか、デザインや快適性を知りたい!という方はぜひ、完成見学会やモデルハウスの見学にいらしてみてくださいね。

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