デザインコラム
【建築用語入門】#7「排気口と給気口の違い、開口、引き渡し日、部材と材木と木材の違い」とは?
建築用語入門
こんにちは、山梨県甲斐市のひかわ工務店です。
家づくりを進めていくと、初めて聞く言葉や、似ているのに意味が異なる言葉に出会うことも多いですよね。
SNSでは勘違いして覚えている言葉をそのまま使ってしまう人も多いので、なおさら謎は深まるばかりです。
今回はそんな「建築用語」の中から
・排気口と給気口の違い
・開口(かいこう)
・引き渡し日
・部材、材木、木材の違い
について解説していきます!
ぜひ参考にしていってくださいね♪
これまでの「建築用語入門」はこちら
ざっくり解説でよく分かる!家づくり入門編
建築用語01:排気口と給気口の違い
換気の方式によって排気口・給気口に当てはまる場所が異なるため、迷いやすい建築用語です。
はじめに概要を説明すると、
排気口……
部屋の中の空気を外に出すための口
給気口……
家の外の空気を部屋に届けるための口
となります。ここから先は、写真でも解説しながらご説明しますね。
換気システムには大きく分けて①パイプ式と②ダクト式があるので、順番に解説します。
①パイプ式(パイプファン式)
壁に付けたユニットで排気や給気が行われるパターン。
壁付けの「換気扇」を使った第三種換気や、多くの第三種換気システム、第一種換気システムの中でもダクトレスのものはこのパターンになります。
こちらがイメージ通りの「排気口」と「給気口」だと感じる人も多そうです!
※第三種換気、第一種換気については写真のあとに説明しています。
壁に取り付けた換気扇が「排気口」として排気を行い、同じく壁に取り付けた「給気口」から外気を取り込みます。下の写真では左が室内側から見た排気口・給気口、右側が外壁側から見た排気口・給気口です。
(換気扇と給気口の数だけ外壁面にフードを取り付けるので、この場合は1軒の家に10個程度のフードが外壁に取り付けられることになります。各箇所のフィルターや防虫網の定期的な清掃によって換気機能を維持できるため、お手入れは欠かさず行いましょう!)
※第三種換気、第一種換気……建物の換気方法。三種類のうち、住宅に使われるのはほぼ”第三種”と”第一種”です。詳しくはこちらのブログの解説を見てみてください♪
②ダクト式
換気システム本体が床下や天井裏にあり、ダクトを使って排気や給気が行われるパターン。
※給排気ともダクト式のタイプと、排気のみダクト式のタイプがありますが、説明が長大になるため大まかに解説していきます。
多くの第一種換気システムや、第三種換気システムの中でもダクト式のものはこのパターンになります。
床下や天井裏に設置した「換気システム本体」の中でモーターが駆動し、本体とつながったダクトは部屋の中の空気を集めて屋外に送り出す「排気」に使用します。
ダクト式第三種換気システムの場合、給気は自然に任せて行うため、ほとんどの場合給気用のダクトはありません。(排気にダクトを使い、給気は①と同じくダクトレス)
熱交換型の第一種換気システムにはもう一種類の給気用ダクトがあり、屋外から空気を取り込んで(吸気)集め、換気システム本体でフィルタリング&熱交換を通すなどしてから部屋の中に供給(給気)をするための通路の役割を担っています。
ではダクト式の場合の「排気口」は壁面でなくてどこにあるのかというと、部屋の床面にある通気口が換気システム本体方面へ空気を送る排気の入り口となっています。あえて名前を分けるなら”排気口の子分”といったところでしょうか。
排気口の子分は洗面所やトイレ、居室の隅など、家の中の要所(の床面)に配属されます。子分たちからダクトを通して”排気”されてきた空気は、換気システム本体でひとまとめになり、外壁や基礎の側面に取り付けられた親分の排気口から出ていくという流れです。
続いて外気を室内に取り込む「給気口」の場所ですが、まずダクト式第三種換気の場合は「排気だけ機械で行い、給気は自然に任せて行う」ため①と同じく外壁や基礎の側面に穴をあけ、給気口のユニットを取り付けます。
第一種換気の場合は、外の空気をまとめて取り込む大もとの”吸気口”が外壁や基礎の側面に取り付けられています。
※混乱を避けるため、ひかわ工務店公式ブログの他記事ではこの吸気口も”給気口”と表現する場合があります
(ちなみに、外壁にフード類が取付られるのはこの部分だけなので、このタイプの場合は外壁面に設置されるフードの数は家1軒に2個程度)
大もとの”吸気口”から取り込まれた外気はダクトを通って換気システム本体へ進み、フィルターを通り、(熱交換型の場合は)熱交換器という部屋を巡ってから部屋の内壁に設けられた「給気口」へ向かいます。
「給気口」は各階の1,2か所(面積や間取りによる)に設けられ、換気計画が正しく機能すればそこから家中へ空気を届ける役割があるんです。
”吸気口”から空気を取り込んで、その空気を綺麗にしてから「給気口」を通して部屋の中へ届けるという仕組みになっているんですね。
ひかわ工務店で標準仕様に採用している換気システムDSDDについても少し触れておくと、DSDDの場合は排気にだけダクトを使用しており、給気にはダクトを使いません。
基礎の側面に設置した大もとの”吸気口”自体にフィルターが入っていて、フィルターを通って綺麗になった空気は床下に進み、そこで基礎から伝わってきた地中熱を拾って適温に近い状態になったものが室内「給気口」から居室へと供給されていく仕組みです。
給気にダクトもファンも使わずしっかり空気が動くのは、排気がきちんとできているから。家のあちこちの隙間からいたずらに空気が出ていくのではなく、決められた排気口を使って、想定通りの道筋で空気が巡ることで、清潔な空気を保ち続けるサイクルが出来上がります。
建築用語02:開口(かいこう)
ざっくり言うと、主に「壁がくりぬかれたところ」を開口と呼びます。
窓がつく前の穴があいた状態も「開口」ですし、扉のないクローゼットへの入り口も「開口」です。
ちょっと複雑なのですが、窓そのものを開口と呼ぶ”誤用”については広まりすぎてしまったので、口頭で話す分には文脈を読めば問題ありません。
ひかわ工務店の家では換気のため各部屋の内壁に通気口を設けているのですが、これらももちろん「開口」に入ります!
建築用語03:引き渡し日
家の鍵をお施主様に引き渡す日が、引き渡し日です。
住宅会社にもよるのですが、一般的には引き渡しと同日に所有権移転の登記を行ってもらうよう、会社から司法書士さんに依頼します。
引き渡し日には工事関連・登記関連の書類、住宅設備の説明書・保証書などの書類の受け取り、設備機器の説明を受けたり、事前確認で内装に修正箇所があった場合は修正箇所の確認などを行います。
電気や水道に関する契約は、引き渡し日からお施主様への請求が始まるような形で契約をするため、お施主様が改めて手続きをする必要はありません。
この引き渡し日以降は建物の名義がお施主様に移り、引っ越しもいつでも行えます。
建築用語04:部材と材木と木材の違い
どれも「材」とつく言葉なので似ていますが、以下のような違いがあります。
木材……
切り出した状態の木。丸太や、一枚板などが含まれる。
材木……
木材を加工して、建材などに向いた形にしたもの。
部材……
建築においては、構造物を構成している部分品のこと。木でできているとは限らない。
例えば梁や柱は「構造部材」に当てはまる。
似ている言葉の「部品」は、機械のパーツを指すので意味が異なる。
お客様に向けて「この部材を…」というふうに説明することはあまりないので、なんとなく「木材から材木に加工する」「部材は意味が広い」といったイメージで捉えていただければ問題ありません♪
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