デザインコラム
【超入門!ざっくり家づくり講座】#13「換気システム:第一種換気、第三種換気って?全熱交換は第三種でもできる?」
家づくり講座
こんにちは、ひかわ工務店です。今回のざっくり家づくり講座は、「換気システム」についてのお話です。
▼前回の記事はこちら
>>#11 外壁材の基本的な種類を学ぼう!後編:ガルバリウム鋼板
▼そもそも「換気システム」って何?
換気システムとはその名の通り、家の中の空気を強制的に換気させるための機械です。建築基準法で24時間常時換気できる(かつ1時間で家全体の半分の空気を入れ替えられる)設備の設置を義務づけられているため、2003年以降の新築住宅には必ず何らかの換気システムが設置されています。
換気システムは各社から様々な特色をもつ製品が発売されており、完全注文住宅の場合は自身の希望や予算に合わせたものを選ぶことができます。大抵の場合は住宅会社が“自社のつくる家に最適”と判断した換気システムを「標準仕様」としてパッケージ化しているため、仕様に任せるのが安心です。
▼住宅で使われる「換気方式」は2種類
建物で使われる換気方式3種類の内、「住宅」で主に使われるのは下の2種類です。
① 第一種換気
家の中から外へ空気を排出する「排気」と、外から中へ空気を取り込む「給気」の両方を機械(ファン)で行う方法で家の中の空気を入れ替えます。
② 第三種換気
「排気」のみを機械(ファン)で行い、「給気」は壁などに取り付けた給気口から自然に行う方法で家の中の空気を入れ替えます。
※ちなみに第二種換気は給気のみを機械で行う方法で、主に工場やクリーンルームなどで採用されます。住宅ではこの方法で効率的な排気を行うことが難しいため、あまり普及していません。
どの方式でも「換気システム」を使用します。ここで注意したいのは、第一種換気/第三種換気のちがいと、「熱交換器」の有無や「全熱交換型」か「顕熱交換型」か、といったちがいは別ベクトルのものだということです。
第一種換気の方式を使っていても熱交換をしないタイプの換気システムもありますし、熱交換器がなくてもそれ以上に価値のある働きをする換気システムもあります。ひかわ工務店が採用しているのは後者のタイプです。(この記事の後半でご紹介します!)
▼「熱交換器」って?
上述のように建築基準法に則って家を建てると、1時間で家全体の空気の半分が入れ替わります。そう聞くと、せっかくエアコンで冷やした部屋の空気が出て行ってしまうのでは?と思いますよね。そこで登場したのが、「熱交換器」を搭載した換気システムです。
「熱交換器」のある換気システムでは、家のいたるところに設置した「給気口」と「排気口」につながっているダクト(通風管)を空気が流れ、その空気は必ず「熱交換器」を通過します。「熱交換器」の中に用意された「排気用の部屋」と「給気用の部屋」を、それぞれの空気が通ることで、熱(温度)を交換するのです。
こうして外から入ってきた「給気」は、熱交換器の中で「排気」の熱を受け取って室内へ入っていきます。
※最近ではダクトを使用せずに、壁付けの換気扇で給排気と熱交換まで行えるものも開発されています。大きな熱交換器を使わないため省スペースです。
▼「全熱交換型」と「顕熱交換型」のちがい
ざっくり言うと、熱交換器の中で……
・温度と湿度を交換している⇒「全熱交換型」
・温度のみを交換している⇒「顕熱交換型」
と分けられます。
“温度のみ”の顕熱交換型の方が劣っているように感じるかもしれませんが、お住まいの地域の気候によっては顕熱交換型の方が向いている場合もあり、どちらにも一長一短があるという意見が一般的です。
ニーズの多い全熱交換型でも大きなリスクを抱えている側面がありますが、そこまで説明すると「超入門」の範囲を超えてしまいますので、興味のある方はひかわ工務店の家を見学する際などに質問してみてくださいね。
▼ひかわ工務店が採用している「DSDD」の特異性と価値
ひかわ工務店の家に必要と判断し、標準仕様として採用しているのが「DSDD」という第三種換気システムです。地中熱を受けた基礎のコンクリートを有効利用することで、熱交換器を用いずに「換気によるエネルギーロス」を最小限に抑えています。
つまり、夏なら【外から入ってくる熱い空気を、地中熱を利用して冷ましてから部屋に取り込む】ということを、熱交換器を使わずに、しかも無料のエネルギー(地中熱)を使って行うことができるのです。
第三種換気でも給気と排気の経路を綿密に計算し、さらに地中熱というエコなエネルギーを利用することで夢のような快適性を実現できるのは、DSDDという換気システムならではです。
実際にひかわ工務店の家では、6畳用エアコン1台の弱運転で、家中を室温23度前後に保つことができます。DSDDの働きで地中熱に近い温度になった快適な空気が入ってくるため、エアコンの効率が上がり、弱運転で十分な快適性を保つことができるのです。このシンプルで効率の良い換気方法には、他の換気システムにはない唯一無二の価値があると考えています。
▼換気システムを生かすのは「気密性」の高さ
どの会社の換気システム製品を使うにしても、重要なのは「気密性」です。気密性の低い、小さなスキマがいくつもある家では、スキマ風が換気の邪魔をしてしまって家の隅々まで空気を循環させることができません。
気密性の高い=スキマのない家ならば、空気の出口となる排気口に引っ張られて家の隅々から空気が動いてきます。どんなに素晴らしい換気システムを使っても、「気密性」が高くなければ宝の持ち腐れなのです。
気密性の測定結果を数値として示す「C値」で言うと、0.36㎠/㎡を下回ると空気の漏れ(スキマ風)が全くなくなるという実験結果が出ています。ひかわ工務店の家は2020年の新築事例ですべてC値0.36をクリアしていますので、換気システムを100%生かせる家だと言えますね。
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