家づくりコラム
【超入門#61】新築でもヒートショックが起きる?どんな状況が危険?普段の生活では何に気を付けたらいいの?ヒートショックの起きない家づくりとは|ざっくり家づくり講座
家づくり講座
こんにちは、山梨県甲斐市のひかわ工務店です。
あっという間に年の瀬となり、どんどん寒さが増していく時期になりました。
間もなく迎える新年の1月は晴れやかな空気に溢れたひと月でもありますが、実は年間で最も「ヒートショック事故」の多い月でもあるんです。
若い人でも高齢の人でも、古い家でも新しい家でも、条件が揃えば起きてしまうヒートショック事故。
今回の家づくり講座では、ヒートショックが起きる理由と対策、ヒートショックの起きない・起きにくい家づくりについて解説していきます!ぜひ最後まで読んで、参考にしていってくださいね。
目次
01:ヒートショックが起きる理由
02:新しい住宅でもヒートショックは起きる
03:ヒートショックの起きない家づくりをするには?
04:今住んでいる家でできるヒートショック対策は?
これまでの「超入門」ざっくり家づくり講座
01:ヒートショックが起きる理由
「ヒートショック」とは何なのかというと、気温差を受けて血圧が急激に上下することでショック状態に陥ったり、身体の内側に蓄積ダメージを負ったりする現象を指しています。
さらにダメージの蓄積や、ショック状態になって意識を失うことにより、転倒や溺水、心筋梗塞や脳卒中といった事故・急病に見舞われることを「ヒートショック事故」と呼びます。
死亡に繋がるヒートショック事故が起きやすいのは、暖かな湯船に入ることで急激な温度変化を受けやすい「浴室」なのですが、ヒートショック自体は家の中のいたる所で気付かぬうちに起きている可能性があります。
例えば朝起きて、暖房のついた寝室から廊下に出た瞬間の「寒っ」と少し背中がゾクッとする感覚や、逆に寒い外から帰ってきてポカポカの居間に入った瞬間に無意識に起きる身震いなど、普段の生活を振り返ってみると意外に「温度差に身体が何らかの反応を示している」場面は多いんです。
ヒートショックが家の中でも日常的に起きる要因のひとつとして、欧州諸国では「室温規制」として冬場の室温を暖かく(最低18℃~23℃)保つよう定める法令があることに対して、日本には室温に関する規制がないということも挙げられます。
日本では古くから「人がいる場所だけを暖める」局所暖房が主流であり、すべての部屋を暖かく保つための性能や構造になっている家が少ないんです。
全国的な平均室温を鑑みると、日当たりの悪い北側に配置された廊下や脱衣所の室温は8℃程度。
リビングだけをエアコン等で23℃に保ち、湯船には40℃の湯を張っていると仮定すると、
リビング(23℃)→脱衣所(8℃)→湯船(40℃)
という移動で急激な気温差を身体に受けてヒートショックを起こすことは、なんら不思議なことではありませんよね。
また先程の例にも挙げましたが、寒い外から帰ってきた時にもヒートショックを引き起こすことがあります。
多い例としては、玄関先の郵便受けに新聞を取りにいく際、すぐそこだからと薄着のまま出てしまうケース。
ヒートショックは10℃以上の急激な温度変化で起きるとも言われていますから、23℃のリビングから、廊下を経るとはいえ2℃や3℃しかない玄関先へ薄着のまま出ていくことは、やはりヒートショックを引き起こすのに十分な要因となります。
そして、外に出た時の急激な寒さ(による血圧の急降下)に耐えたとしても、暖かなリビングに戻った際の血圧の上昇に身体が耐えきれず、ヒートショックを起こして意識を失ってしまう……という事故も起き得るんです。
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02:新しい住宅でもヒートショックは起きる
ヒートショック事故というと高齢の方の事例がニュースになるイメージが強いため、「ヒートショックは昔ながらの古い家で起きるものだ」と思っている人も多いのではないでしょうか。
確かに築年数が古い家は断熱などの性能が低い家が比較的多いため、部屋間の温度差が大きくなり、ヒートショックを引き起こす割合も高いと言えますが、たとえ今年建てた新築の家だとしてもヒートショックが起きる可能性を排除することはできません。
ヒートショックを引き起こす可能性が高いか・低いかに重要なポイントは築年数ではなく、家の中に寒さを感じる場所があるか・ないかなんです。
どんなに性能の良い家を建てたとしても、新築だとしても、人のいる部屋だけ暖かくて廊下やトイレ、脱衣所、クローゼット、玄関などが寒ければ、ヒートショックを引き起こす状況を再現できてしまうんです。
03:ヒートショックの起きない家づくりをするには?
ヒートショックの起きない・起きにくい家をつくる秘訣は、家の中に温度差をつくらないように高い断熱性・気密性・換気性能を土台とした「暮らし方」をしっかり計画しておくことです。
例えばひかわ工務店の家の場合は、断熱性・気密性の高さは当然として、清潔な空気で家を満たすことと暖かい空間を保つことを両立させる”換気計画”にも力を入れています。
空気の入れ替わらない密室に長居すると息苦しくなってくることから分かるように、人は十分な酸素量のある清潔な空気があってこそ健康に暮らすことができます。
そのために「換気」が必要で、24時間換気が法的に義務化されたわけです。
しかし、既定の通り「2時間以内に家の中の空気が全て入れ替わる」換気を何の工夫もなしに行えば、せっかく空調で暖めた空気もすべて外気と入れ替わってしまいます。
そのためにひかわ工務店の家では地中熱を利用した換気システムで外から入ってくる空気を暖めたり、間取りを工夫したり、家から出る排気でエアコンの室外機を暖めたりするなど、大きな工夫から小さな工夫まで網羅した換気計画を立てているんです。
そして高性能と換気性能の高さを土台として、エアコンの使い方や加湿の方法など健康に過ごすための「暮らし方」を計画し、オーナー様自身が日常生活としてその暮らし方をできるように調整していきます。
ひかわ工務店の家の暮らし方については、こちらの記事にまとめていますのでぜひチェックしてみてください。
住宅会社によって考えに違いはありますが、ヒートショックの起きにくい家を建てたいのであれば、家の中に温度差をつくらないこと、それを現実的な手段で叶えられる計画を立てることが必要になるんですね。
より省エネに暮らすためのおすすめ記事はこちら
04:今住んでいる家でできるヒートショック対策は?
ここからは、すでに家を建てている人や、すぐにできる対策を知りたい人に向けたヒートショック対策のアイデアを4つご紹介します。
①お風呂に入る前に脱衣所を暖める
最もヒートショックの起きやすい”入浴時”に発生する温度差をなるべく緩和するため、お風呂を沸かしながら脱衣所も暖めておくという対策方法です。
使用する暖房については、エネルギーの使用量に対して暖房効果が高い「エアコン」がおすすめなのですが、脱衣所にエアコンを設置できない場合は電気ヒーターなどを使って暖めるのがよいかと思います。
参考記事
②お風呂に入る前に家族に声をかける
ご家族で暮らしている場合にできるヒートショック事故対策として、入浴前に「今からお風呂に入ってくる」、入浴後に「お風呂上がったよ」と家族に報告することも有効的です。
ヒートショックの発生そのものを予防することはできませんが、ヒートショックが起きて意識を失ってしまった場合の早期発見に役立ちます。ヒートショック事故では湯船に浸かっての溺水が特に多いため、いち早く異変に気が付いてもらうことが大切なんです。
③暖かい場所と寒い場所を行き来する際に心の準備をする
小さな効果かもしれませんが、心持ちひとつでできる対策としては「気を引き締める」というものもあります。
例えば朝、暖かい家の中で支度を済ませて、玄関扉を開けた瞬間に「寒!!」と震えた経験は誰しもあると思いますが、その後職場や学校で過ごし、再び外に出る際には「朝めちゃくちゃ寒かったから覚悟して出るぞ」と気を引き締めて扉を開ける……という経験もまた身に覚えがあるのではないでしょうか。
経験則に過ぎないため科学的な証拠はありませんが、「寒いところに出る」「暖かい場所に入る」と心の準備をするとしないとでは、感じる衝撃に少しだけ差があるのではないかと思います。
④健康的な食生活や生活習慣を心がける
ヒートショックは血圧が急激に上下することで血管や心臓にダメージが起きる現象ですから、元から高血圧であったり、生活習慣病を患っている人の方がヒートショックで事故を起こしやすいと言われています。
そのため血圧を安定させる食生活や睡眠時間の確保など、健康に暮らす土台を整え、その生活を続けていくことが大切です。
虫歯の予防と同じで、チョコレートを食べた後だけ入念に歯磨きをするのではなくて、普段からフッ素入りの歯磨き粉やデンタルフロスを使って予防をしていく。ヒートショックが起きそうな入浴時に気を付けるだけではなくて、普段から身体を健康に整えておくことも立派なヒートショック対策なんですね。
毎年のようにニュースになるヒートショック事故。
若い人であっても、他人事ではなく「自分ごと」として対策をしていきたいですね。
これから家づくりをするという人はぜひ、ひかわ工務店の家づくりを参考にしてみてください!
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