2025年年末版【超入門#1】気密性、C値って何のこと?気密性が高いと何がメリットなの?【ざっくり家づくり講座】

家づくり講座

気密性 C値 家づくり

こんにちは、山梨県甲斐市のひかわ工務店です。
家づくり」の世界に一歩足を踏み入れると、次々に現れる耳慣れない言葉たち!
建築用語を調べたり、AIの回答をファクトチェックしたりするのはもう疲れた……と思っている人も多いのではないでしょうか。

ひかわ工務店公式ブログの「超入門」シリーズでは、各回で取り上げるテーマについてざっくりと「これが分かっていればOK!」なポイントに絞って解説しています♪
今回のテーマは「気密性・C値」について!
ぜひ最後まで読んで、皆さんの家づくりに役立ててくださいね。

罫線

01:気密性とは?気密性が高いと何がメリット?

家づくりの中で「気密性」といえば、建物の「スキマの少なさ」を指しています。
気密性が高い=スキマが少ない、性能が良い◎という文脈になりますね!

気密性の高さをざっくりと”上着”で例えてみると、

●スキマがたくさんある
部分的にレース素材になっている夏用カーディガン。風が吹くと上着のスキマを通り抜ける感じがする。

●スキマがほとんどない
全体が防風素材のマウンテンパーカー。風が吹いても上着が防いでいる感じがする。

といったイメージ。気密性に加えて断熱性も備わっている場合は、暖かくて風も通さないダウンジャケットといったところでしょうか。
今回は「気密性」にフォーカスして説明していくため”スキマの少なさ”に注目していただけると、この後の説明も分かりやすくなると思います♪

気密性 上着の例え

本題に戻って「気密性の高い家」の最大のメリットは、室内の空気の動きをコントロールしやすくなること!
気密性が高いほどスキマ風が入りにくいので、計画通りに部屋の空気を入れ替えることができるんです。
では、計画通りに空気の入れ替えを行うことができると、どんなメリットがあるのでしょうか?

①部屋の隅っこに溜まっている空気もしっかり入れ替えられる

換気 リビング 土間 おしゃれ

現代の住宅は、基本的に「給気口」から「排気口」に向かって空気の流れができるように設計されています。
しかし実際に完成した建物がスキマだらけだと、計算外のスキマ風空気の流れを阻害されてしまうんです。

どこからともなくスキマ風が流れ込んでくる……例えるなら部屋のあちこちでハンディファンが起動しているような状態では、ざっくりと換気できても、部屋の隅っこに滞留した空気までは換気できなくなってしまいますよね。

後述する「C値」の項目で触れたいと思いますが、気密性が一定以上高い家になるとスキマ風が0になります。
するとスキマ風による阻害がなくなり、設計時の計画通りに室内の空気が動いてくれるようになるんです♪

あわせて読みたい

②冷暖房の風が隅々まで行き届く家の”土台”ができる

吹き抜け 冷暖房の風が行き届く

気密性が高ければ、計画した場所から空気が入り計画した場所から空気が出ていくという理想的な換気計画を実現することができます。
それはつまり、家の中を流れる「空気の経路」を把握できるということ。

暑い季節には冷房の涼しい風を、寒い季節には暖房の暖かい風を「空気の経路」のスタートになるべく近い地点から乗せることで、家の隅々まで快適な空気を行き渡らせることができるんです。

実際の建物でこれを実現するには、気密性の高さに加えてエアコンの配置や換気設備の性能、間取りの工夫など相乗効果を得られる適切な設計プランをつくって、確実に施工することが必須になります。
「気密性が高い」ことは快適な家をつくるための土台であると言えますね!

ひかわ工務店がつくっているような”本当の意味で快適な高性能住宅”は、どの部屋も、廊下もお風呂もトイレもぜんぶ適温に保つことができるので「ヒートショック」対策にも大いに役立ちます。
気密性が高いだけではもったいない”とたくさんの人に知ってもらうことで、これからの住宅がもっと安全で快適なものになっていって欲しいですね。

ヒートショックの起きない家づくりについては、こちらの記事で解説しているのでぜひ併せてご覧ください♪

③断熱性も揃えば省エネ効果抜群に

上着の例えで「断熱性も揃えばダウンジャケット」と表したように、断熱性とはざっくり言うと”室内を保温する能力”を指す言葉です。

エアコンで部屋を暖めたあと、スイッチを切るとだんだん寒くなっていきますよね。
これは温かいお茶が自然に冷えていくのと同じで、外気の影響を受けて室内の気温が下がっていくからなんです。

コップにも断熱性の高いものがありますよね。例えば「真空断熱タンブラー」などは、コップの壁面を二重構造にして真空状態にすることで、飲み物を保温することができるよう工夫された”断熱性の高いコップ”です。

家の壁の中は真空ではなく「断熱材」が入っているわけですが、コップと同じように”断熱性”が高ければ、タンブラーの中の飲み物と同じく室内の暖まった状態を一定時間保温することができる……ということなんです♪

そして部屋が冷えていく理由のひとつには、建築基準法で定められた計画換気(24時間換気)も挙げられます。
常に少しずつ家の中の空気が新しい空気に変わっていくため、エアコンで暖めた空気も少しずつ外に出されていってしまうんです。

とはいえ健康的な生活を送るためには、計画換気を止めてしまうわけにはいきませんよね。
そこで重要になるのが「より省エネに」快適な室内環境を保つことなんです。

表 気密性 断熱性
表 気密性 断熱性
▼タップで表を表示
気密性高気密性低
断熱性高・計画的に空気が流れているので、暖かい空気が行き渡る。
・保温性もあるので、一度暖かくなればあとは暖房弱モードで十分。【省エネ!】
・暖房を消したあとの室温下降が比較的緩やか。
・スキマ風があるので、暖房が当たる場所は暖かいが他の場所は暖かくならない。
・何台も暖房器具を使わないと、広範囲を暖めることができない。
・暖房を消すとスキマ風で徐々に寒くなる。
断熱性低・スキマ風がほとんどないので、暖かい空気が行き渡りやすい。暖房をつけている間は快適。
・保温性がないので、暖房は強モードで使い続ける。
・暖房を消すと外気の影響で徐々に寒くなる。
・スキマ風が入り、保温性もないので、暖房のすぐそばにいないと暖かくない。
・暖房を消したらスキマ風や外気の影響でたちまち寒くなるので、強モードで使い続けないと寒い。

表のように、気密性と断熱性が揃わなくても室内を暖めること自体はできます。
しかし、気密性や断熱性が低い場合は「省エネに」暖かくする&暖かい状態を保つことが難しく、エネルギーを大量消費しなければ快適な状態をキープできないんです。

環境のため、なにより自分自身の健康とお財布へのダメージを減らすためにも、省エネに暮らすことのできる機能性が必要だと、納得いただけたでしょうか?
計画的な換気を行って常に新鮮な空気があり、一度暖めれば保温状態でキープされる。加湿器の効果もキープしやすく、温度も湿度も快適な空気が家じゅうを巡る……。

こうして文章にしてみるとドラえもんに出てくる未来の住宅のおはなしに聞こえるかもしれませんが、実際はこれからの新築家屋のスタンダードになるべき性能なんです。
それを叶えるための土台が、高気密をはじめとする基本性能の高さというわけなんですね♪

あわせて読みたい

02:C値は何を表している?

C値(シーち)とは、その建物で「気密測定」を実施して得られた数値のこと。
家じゅうの換気口を塞ぎ、計画外の漏気(ろうき≒スキマ風)を測定します。
計算上の推論ではなく、実測する必要があるため、ごまかしのきかない数値です。

気密測定のタイミングには決まりがないため、建物完成後、壁に穴を開けるエアコン工事等をする前に気密測定を実施する会社もあります。この場合はエアコン工事後の気密性が大幅に低下する可能性を秘めているため、気密測定のタイミングは着工前に必ず確認しておきたいですね!

もう少し具体的に言うと、C値は「その建物の面積1㎡あたりに存在するスキマの面積」を表しています。
値が小さければ小さいほどスキマが小さく、気密性が高いということです。

一般的に気密性が高いと判断されるラインの【C値1.0㎠/㎡】の場合は、延床面積100㎡(約30坪)の中に存在するスキマをギュッと集約すると100㎠になりますよ、と言い換えることができます。

100㎠は一辺が10cmの正方形の面積と同じ。官製はがきの短辺がちょうど10cmなので、両手が空いている人はぜひ指を広げて100㎠をつくってみてください。

C値 気密性 図解 スキマ風

家じゅうのスキマをかき集めてこの大きさならたしかに小さいかも!と感じる人が多いと思いますが、実際のところC値1.0はまだスキマ風が入ってくるレベルです。

とある住宅研究所の研究結果によって、C値0.36以下になると自然漏気(自然に入ってくるスキマ風)が0になることが判明しています。
計画通りに換気を行って健康に暮らすには、空気が漏れない【C値0.36以下】を目指す必要がある、と言えますよね。

ひかわ工務店の新築住宅でもC値0.36以下を目標値に設定しています。
2020年以降の新築施工事例では、標準仕様で建築したすべてのオーナー様邸C値0.36以下をクリアしていますよ♪

気密測定の様子

03:快適な家をつくるにはほかにも重要なポイントが!

今回は気密性についてのざっくり解説ですが、入門編から一歩踏み込んだポイントもご紹介!

気密性は快適な家にするための土台として”高い方がいい”ことはすでにお分かりかと思いますが、ほかにも気密性能に関して重要なポイントがいくつかあります。

途中で表を使って解説したように、どんなに気密性が高くても、それだけでは快適な家にはなり得ません。
そのほかに必要な基本的ポイントは、断熱性と換気システムです。
(視覚的な快適性なども含めると語りすぎてしまうので、今回はこの2つに絞らせてください……)

断熱性の重要性は、さきほどの解説通り。
換気システムの重要性は、そのシステムが本当に換気できるものか&省エネに運転できるものか、という二点にあります。

ひかわ工務店が採用しているオカトミ社のDSDDシリーズは、ざっくりお伝えすると
地中熱を利用してエコに給気を暖めるor冷ます仕組み
暴風時にも逆流を起こさないパワフルなモーター
給気と同時に高性能なフィルターを通して清潔な空気を確保
・有名な換気システムより本体価格も控えめ
といったメリットがたくさんある換気システムです。

高い気密性と高い断熱性が揃わなければ、性能が高くてエコな換気システムのよさを100%引き出すことはできません。
快適に暮らす……電気代に悩まされずに、心地よい温湿度、気持ちのいい空気の中で暮らすためには、気密性・断熱性・換気システムの3つが高い水準で揃っている必要があるんです。

DSDDのよさを引き出すにはほかにも気を付けたいポイントがあるので、興味のある人はぜひこちらのブログもチェックしてみてくださいね。

気密性、断熱性、換気システムの関係の深さは複雑で、建物を見て情報と照らし合わせるまであまりピンと来ない人も多いと思います。
今回のざっくり解説を読んで「本当の快適さを実感してみたい」と思った人は、ぜひひかわ工務店の見学イベントや相談会に来てみてください♪

開催中のイベントはこちら!

罫線

今回は、家づくりの基本「C値」についてざっくり解説してみました♪
ひかわ工務店公式ブログでは、今回の「超入門」シリーズ以外にも、家づくりについて知りたい!ワクワクしたい♪という人に向けて家づくり情報を発信中
この機会にほかの記事も読んでみてください♪

おすすめブログはこちら

バナー 家づくり講座
バナー 家づくり体験談
バナー スタッフ対談
バナー 家づくりコラム
署名
ひかわ工務店-山梨県甲斐市の注文住宅&デザイン住宅/”ワクワク”をモットーに、おしゃれを楽しめる快適な家づくり!/甲府市、甲斐市、韮崎市、昭和町、中央市、南アルプス市、北杜市、笛吹市、山梨市、市川三郷町ほか