【コラム】高性能住宅でも冬場は「加湿器」が必須?性能に合った暮らし方とは

家づくりコラム

こんにちは、山梨県甲斐市のひかわ工務店です。
皆さんは、気密性断熱性の高い「高性能住宅」にどんなイメージを持っていますか?快適で綺麗な空気に満ちているといったイメージでしょうか。

実際は、どんなに高性能な住宅でも、快適に暮らすためには性能に合った「暮らし方」が必要になります。
例えば空気が乾燥する冬の時期には、高性能住宅では“家が暖かいからこそ”加湿が必須になるのです。
今回は湿度についてもざっくりと説明しながら、高性能住宅と加湿についてご紹介していきます!

※この記事で表現している「高性能住宅」の定義については、こちらのページを参考にしてみてください。
>>デザイン×性能にこだわる意味|ひかわ工務店
 

▼POINT1:暖かい家ほど乾燥しやすい、自然のメカニズム

少し難しい話になるので結論から言いますと、「暖かい空気は冷たい空気よりもたくさん水分を蓄えられるから、同じ湿度50%でも50%にするために必要な水分量がとても多くなる」というのが、暖かい家ほど乾燥しやすいという触れ込みの正体です。

※ここからは「湿度」についてざっくりと説明しますが、お急ぎの方は次の画像(図解)までスクロールしてください。

普段、湿度を確認する時に見る湿度計に表示されているのは「相対湿度」というもので、現在の気温の空気の中で水分が気体=水蒸気を保てる限界の量(飽和水蒸気量)に対して、今どれくらいの水分が空気に含まれているかという割合を表しています。

日用品で例えるならば、コップの容量(飽和水蒸気量)に対して、入っている水(空気中の水分)の量を表す割合が「相対湿度」ということです。

・飽和水蒸気量=コップの容量
・空気中の水分量=コップに入っている水
・相対湿度=コップの容量に対して入っている水の割合

飽和水蒸気量は気温によって変化するため、気温が低いほどコップは小さくなり、気温が高いほどコップは大きくなります。

ここで具体的な例を挙げてみましょう。
分かりやすい数字として、今回は空気が1kg(約1立方メートル前後)の空間で考えてみます。
その空間の気温が15℃、相対湿度(湿度計の表示)が95%の場合。
「コップの容量(飽和水蒸気量)」は10.6gで、このコップの95%のラインまで水が入っている状態です。

この空間の気温を25℃まで暖めた時、コップの容量(飽和水蒸気量)は20.1gまで大きくなります。15℃の時から倍近く大きくなっていますので、先程までほぼコップ満タンだった水分量と同じなのに、今(25℃)は半分くらいまでしか水が入っていないことになります。
コップの半分まで水が入っているので、今は相対湿度50%。
つまり、空気中に存在している水分量は変わらないのに、気温が15℃→25℃に上昇したことで相対湿度(湿度計の表示)が95%→50%に下がったということなのです。

「15℃でも25℃でも、水分量が同じなら相対湿度なんて気にしなくていいのでは?」と思うかもしれませんが、相対湿度が低い時=湿度計の表示が30%などの低い数値の時は、コップの容量に対して水分量に余裕があり、まだまだ水を入れられる状態。
人体も含めてそこら中から水分を奪ってしまうため、「乾燥している」と感じます。
そのため、高性能で暖かい、気温の高い家だからこそ、加湿器を利用して水分を補う必要があるのです。
(※今回の例とは逆のパターンで、水分がコップの容量を超えて溢れてしまった分は気体を保てなくなり、「結露」として目に見える水滴に変わります)
 

▼POINT2:高性能住宅での一日の加湿量はどれくらい?

ひかわ工務店では、32坪くらいの家で冬場に室温23℃前後50~60%で暮らす場合には、洗濯物や洗い物、人の汗などの自然加湿とは別で1日に14リットルくらいの加湿をおすすめしています。
高性能な住宅では換気システムがしっかりと働く分、冬の乾いた外気を常時取り込んでいるため、加湿器も活用しながら積極的に加湿していく必要があります。

そこで重要になるのが「性能に合った暮らし方」です。
例えばひかわ工務店の家の場合は、家中の空気の流れをスムーズにするために、浴室も含めたほとんど全ての空間が通気口でつながっているため、湿度が高くなる浴室の空気を加湿に利用することができます。
夜、家族がお風呂に入り終わった後も浴槽の蓋を開けておくことで、湯船から出る水蒸気を含んだ空気を家中に回すことができるのです。

同様に、洗濯物を吹き抜けの上など広い空間で部屋干しすることでも、水分を含んだ空気を家中に供給する効果が得られます。
 

▼POINT3:加湿器を置くのにおすすめの場所

換気システムがしっかりと働き、空気の流れをコントロールしやすいのが高性能住宅の特徴です。吹き抜けやリビング階段といった大きな上下空間があると、シーリングファンを利用して上下階の温度差・湿度差を減らすことができます。

ひかわ工務店ではこうした理由もあって吹き抜けを推奨しており、吹き抜けの上部でシーリングファンを回転させることによって大きな空気の流れをつくり、家中の空気を循環させています。

この流れに乗せて加湿器の水蒸気を含んだ空気を家中に届けられるように、加湿器の置き場としておすすめなのが「吹き抜け上部の二階廊下」です。
よく棚の上に加湿器を置いていたら、床がびしょ濡れになっていた……という話を聞くように、加湿器から出た水分が完全に空気に溶け込むには少し時間がかかります。
二階と一階の落差を利用して廊下から吹き抜けに向かって加湿器の蒸気を放出することで、加湿された空気が循環されていくのです。

家づくりの際に、二階廊下に加湿器置き場やコンセント、余裕があれば水道も設置できると、加湿の準備はばっちりですね。加湿器本体の購入費用も、諸経費として予算を確保しておけると安心です。
  

▼番外編:夏場は除湿器が必要になるの?

除湿器に関しては、エアコンの運転だけで高い除湿効果があるため、高性能住宅(ひかわ工務店)では基本的に必要ありません。
機種による違いはあれど一般的にエアコンの除湿能力は除湿器の6倍ほどと言われており、電気代に関しても同じ除湿量であればエアコンの方が安く抑えられます。

梅雨の時期は夏ほど気温も高くないため、エアコンをつけて寒いと感じる場合には、別のエアコンで暖房運転をすることでさらに高い除湿効果と快適な温度を保てます。
なんだか勿体ないことをしているような感覚になるかもしれませんが、除湿器よりも効率の良い除湿効果が得られるため、これも高性能住宅ならではの暮らし方、新常識とも言えるかもしれませんね。

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