【二世帯住宅コラム】二世帯住宅の「成功パターン」と「残念パターン」4例

二世帯住宅コラム

こんにちは、山梨県甲斐市のひかわ工務店です。
共働き世帯が増えたことなどから、家づくりの際に二世帯住宅を考える方はまだまだ多いと思います。
しかしSNSなどで「二世帯住宅」と検索すると、“失敗”、“後悔”などネガティブなワードを目にすることも多いため、不安になってしまいますよね。

今回は、これまでの建築業界で見聞きした経験談をもとに、二世帯住宅の「成功パターン」と「残念パターン」の両方をご紹介します。
自分たちの場合はどんな要素が成功/失敗につながりそうか、考えながらご覧くださいね。

※今回ご紹介するのはひかわ工務店のお客様による経験談ではありません。またプライバシー保護のために、聞いたお話から少し変えている部分がありますのでご了承ください。

▼[Aさん]成功パターン:お風呂を別々にして正解だった!

元々旦那さんの実家で二世帯同居していたAさんご一家は、建て替えを機に間取りも一新。一階に両親世帯、二階に子世帯が暮らし、玄関だけ共有の「一部共有型」の間取りになりました。
お嫁さんの立場であるAさんは、気を遣っていつもお風呂の順番を譲っていたため、家族全員が使った後の湯船に浸かることや、浴槽の掃除になんとも言えない気持ちを抱いていたそう。
義両親とどんなに良い関係を築いていても、最も無防備になるお風呂については複雑な気持ちになるのも想像ができますね。

新居ではお風呂が別々になり、入浴の順番や脱衣所での着替えにも気を遣うことがなくなって、お風呂関連のストレスから解放されたというAさん。浴槽の掃除をする際に感じていたモヤモヤもなくなったそうです。
お風呂が一緒だった頃は義両親も気を遣っていたことだろう……と、今思えばお互いにストレスになっていたのでは?と振り返っていました。

[Bさん]残念パターン:生活が変わると約束事も変化して……

息子さんとお嫁さん、お孫さんたちとの二世帯住宅を新築したBさん。新生活が始まった際に、共有部分の掃除や夕食の用意は当番制にしてみんなで行うことになりました。
お嫁さんとも良い関係で、しばらくの間は特に問題もなく二世帯住宅暮らしを楽しんでいたのですが……お孫さんが小学校に上がって習い事を始めたり、お嫁さんがパートを始めたりすると生活サイクルが一気に変わります。

子世帯をサポートするため、定年退職しているBさん夫妻は家事分担を増やして平日の家事をほとんど担当することに決めましたが、Bさんは時々「お嫁さんの小さな言動を気にしてしまう自分」に気がついて不安になるのだと言います。

社会復帰をしてから忙しくなったお嫁さんに理解を示しているものの、当初の約束事が変わってしまったことや、顔を合わせる機会が減った子世帯の様子に得も言われぬ気分になる自分を受け入れられない……というBさん。
もしも二世帯住宅で同居していなかったら、二世帯住宅でも居住スペースが完全に分かれていたら、お互いに「良好な関係」と断言できる仲でいられたのかなぁと、ついつい思ってしまうのだそうです。

[Cさん]成功パターン:金銭管理を徹底して“気疲れ”しない関係に

Cさんご一家は、お嫁さん側のご両親と同居の二世帯住宅。同居前までは気にしたことがなかったそうですが、二世帯住宅暮らしを始めてからは世帯ごとに金銭管理を徹底するようにしたのだそうです。

家計管理をしやすくするために、子世帯と親世帯で別々に水道と電気の“子メーター”を設置して、毎月各世帯の光熱費を概算で出し、引き落としのために作った銀行口座に入金します。
食材や生活用品の買い物も基本的には各々で行き、一緒に行く際にはカゴを分けてお会計を別々に。
Cさんいわく、「なるべく現金を手渡しする生々しさを味わいたくない」とのこと。子ども時代、親にお金を預けることはあっても支払う経験はほとんどしないので、なんとなく気まずさを感じるのも頷けます。

この徹底した金銭管理のおかげで、誕生日プレゼントなどお金の絡む場面で変に気を遣って“気疲れ”することが無いというCさんご一家。二世帯住宅でなくてもお金のことはストレスを生みがちですから、理想的な二世帯の関係性を築けたと言えるのではないでしょうか。

[Dさん]残念パターン:子どもが大きくなってから気が付く不便さ

お子さんが1歳の時に、奥さんのご両親との二世帯住宅を建てたDさん。一人息子のお子さんが小さい内は、皆で一丸となって子育てに奔走したそうですが、中学生にもなると部活動や塾で忙しくなり、家でお子さんと会話できる時間は夕食時くらいになりました。

お子さんが家にいない時間が多くなると、Dさんは二世帯共有のリビングでくつろぐことに少し気を遣うようになったと言います。というのも、家族が並んでいてお子さんがいない状態だと「奥さん側の家族」というイメージが強く、団らんを邪魔しているかもという気持ちが少なからず芽生えるのだとか。
今ではDさん専用の部屋か、セカンドリビングがあっても良かったかなと思っているそうです。

二世帯住宅完成から十数年後の生活の様子を想像するのは難しいけれど、家づくりの際にはそれが必要条件になるのだと実感した……というDさんの経験談でした。

POINT:残念パターンになりやすい外的要因にも注意

今回ご紹介したように、二世帯住宅づくりの成功/失敗には家族それぞれの性格や生活の事情が関わるため、一概に「これをすれば成功する」「これをしたら失敗する」と言い切れるものではありません。

ただし経験上、残念パターンになりやすいと感じているのは“諸事情により二世帯住宅”の場合
親世帯が全面的に金銭援助をするケースや、地域的に同居が慣例になっているからそうするというケースなど、「外的要因」が決め手になって二世帯住宅を選んだ場合には、家づくりに忖度が入ったり、本音と建前が分かれてしまったりと、残念パターンにつながる要素が生まれてしまうことがあるのです。

外的要因を私達のような第三者が取り除くことは簡単ではありませんが、気持ちという「内的要因」には寄り添うことができます。時には親世帯・子世帯と別々にお打合せをして、双方の意見を客観的に取りまとめて打開策をご提案することもできるのが第三者(住宅会社)の強みでもあります。
二世帯住宅の家づくりをする際にはぜひ、信頼できる住宅会社を見つけて、素直な気持ちを話してみてくださいね。

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