【二世帯住宅体験談】二世帯住宅で育った「元・子どもたち」の本音を聞いてみた

体験談

こんにちは、山梨県甲斐市のひかわ工務店です。
核家族世帯が増加する中でも、まだまだ家づくりの際に選択肢に入る二世帯住宅。SNSなどで検索してみると、メリット以上にデメリットが目について不安になる方も多いと思います。

そこで今回はひかわ工務店のお客様のご友人など、二世帯住宅育ちの方々に「実際に二世帯住宅で育った感想」を聞いてきました!
義理のご両親と暮らす自分以上に、多感な子どもはどう感じるのか?何を思うのか?気になる方はぜひ、読んでみてくださいね。

──過去の体験談シリーズはこちらから
>>【実例体験談】住宅会社、実際どうやって選んだ?地域ビルダーとハウスメーカーの違いも|家づくり経験者二人にインタビュー
>>【実例体験談】土地探し、実際やってみてどうだった?|家づくり経験者二人にインタビュー

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…*二世帯住宅育ち経験者DATA*…
Yさん
父方の祖父母と幼少期から高校卒業まで同居し、大学卒業後は実家に戻って現在二世帯同居中。玄関が共有で一階と二階に住居を分けているタイプの「一部共有型」二世帯住宅育ち。
Cさん
父方の祖父母と幼少期から高校卒業まで二世帯同居。大学卒業後にまた数年同居した後、現在は一人暮らし中。メイン玄関は共有で、一階と二階に住居を分けている「一部共有型」二世帯住宅育ち。
Tさん
父方の祖母と幼少期から高校卒業まで「完全同居型」二世帯住宅で同居。現在は妻子とともに戸建て住宅で暮らしている。
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※本記事では、3名の方に個別に聞いたお話をひとつにまとめています。

●祖父母と暮らして良かったことや、不便だと感じたことは何ですか?

Cさん:良かったことならたくさん思いつきます。特に思春期の多感な時期に、無条件に受け入れてくれる祖父母の存在には安心感を覚えていました。
二階で母と喧嘩したら一階の祖父母の所にふらっと下りて行って、ただおやつを食べて帰るとか。自分が悪いと分かっていても母に謝れない時や、落ち着きたい時、無理に話を聞き出そうとせずにただ一緒にテレビを見たり世間話をしたりしてくれる祖父母の優しさに甘えることができて、今思えばそれが情緒の安定につながっていたんじゃないかと思います。

あと、家に大人が4人もいるということ自体にも安心感がありました。帰ったらいつも祖父母がいるし、祖父には車で送ってもらうこともあって、助かることも多かったです。
設備的にも、二階の給湯器が壊れてしばらく一階のお風呂を借りていた時期があったので、助け合いができるのは二世帯住宅ならではのメリットかなと思いました。

不便なことや嫌だったこと……は、思いつかないです。祖父母の性格次第な部分もあると思います。私の祖父母の場合、孫への愛はすごく感じたけれど、過干渉にならないようにしてくれていたんだろうなと思います、今となっては。

Tさん:うちは両親が共働きだったので、学校から帰ると両親はまだ帰っていないことが多くて、いつも祖母がいました。祖母は6人兄弟で、周辺に兄弟や親族が何人も住んでいたので、帰ったら親戚が来ていたことも何度もあります。やっぱり子どもからしたら、家に大人がいるのはとても安心しました。

それから祖母は「お腹が空いてないか」と心配していろいろ用意してくれる人で、学校帰りの孫たちのために簡単な食事を作ってくれたのをよく覚えています。そのおかげか3兄弟全員背が高く育って、(遺伝や経験したスポーツ等他の要因もあるので)祖母だけのおかげではないのですが、ありがたいと思っています。

あと、弟がゲームをやりたいのを私に直接言えなくて、祖母越しに言ってくることもありました。「○○くん、□□くん(弟)がゲームやりたいって言ってるから、やらせてあげてくれる?」みたいに。そうすると「ばあちゃんが言うなら仕方ない」って、私も素直に弟に譲ることができたので、祖母は孫たちの心の拠り所でもあったなと思います。

Yさん:小さい頃は特に、祖父母が絶対味方をしてくれるという安心感がありました。親と意見が合わない時も、独りぼっちに感じない。あと、親に買ってもらえないものを祖父母は買ってくれたりもしました(笑)
あと大人になった今でも「家に常に誰かいる」恩恵を受けていて、私自身は仕事でいつも帰りが遅いのですが、祖父母が宅配便を受け取ってくれるので、休みの日に配達を待ったり営業所に取りに行ったりしなくて済むのが何気にありがたいです。
帰りが遅くなるだけに、お風呂の時間には気を遣っているので、デメリットと言えばそのくらいですかね。

核家族で暮らしているお友達と、生活や価値観に違いを感じることはありましたか?

Yさん:二世帯同居が多い地域なので、友達と違いを感じたことはないですね。友達のおじいちゃんおばあちゃんまで顔見知りなので、核家族世帯が多い地域とは雰囲気が違ったかもしれません。

Cさんないですね。二世帯住宅でなくても「祖父母が近くに住んでいてすぐ会える」場合と「遠方にいてなかなか会えない」場合では、子どもと祖父母との距離感って違ってくると思うんですが、それと同じベクトルで自分は距離感がいちばん近いパターンにいるだけ、みたいな……。
友人に「Cさんちは何人家族なの?」って聞かれれば、祖父母も入れた数で当たり前に答えています。
でも、建物の中はつながっているものの別々の自由空間で暮らしていたので、同居しているという感覚より、お隣さん同士で暮らしている家族という感覚の方がどちらかと言えば強かったですね。

Tさん特にないですね。核家族で両親が共働きという家庭状況の友達がいて、その子は一人で留守番している間ずっとゲームで遊んだりお菓子を食べたりしても咎める人がいなかったので、今思えばその点は“価値観が違った”のかもしれませんが、当時は何とも思っていなかったです。

祖父母からどんなことを学んだと感じていますか?

Cさん世の中にはいろんな生き方があるってことを教えてくれたと思います。祖父は若い頃はプロスポーツ選手で、今も人に教える仕事をしているので、企業に就職するのとはまた変わった生き方をしていて。その息子である父が勤め先の会社から独立するのも思春期に見ていたし、「そういう生き方でも良いんだな」って思わせてくれたなぁと思います。

あと祖父がボートの免許を持っていて、小さい頃は釣りや潮干狩りに連れて行ってくれました。そういうちょっと変わった体験の楽しさも教えてもらったことで、自分の世界が広がったんじゃないかと思っています。

Tさん:私は結構“おばあちゃん子”だったと自覚しているのですが、祖母から怒られた記憶が全くなくて、祖母と過ごすことにストレスがなくてとても良かったなと思っています。だから自分の子どもにも、できるだけ「怒らない育て方」をしてあげたいなと考えられるようになったのが学びですね。

──一緒に住んでいない方の祖母とは、意識に差がありましたか?

Tさん:あぁ、それはありましたね。立場は同じ「おばあちゃん」だけど、毎日顔を合わせている父方の祖母と、月に1回会うか会わないかという母方の祖母とでは、無意識に対応に差があったと思います。
一緒に住んでいる祖母の方は「家族」という認識でいたので、私が大学生になって車の運転免許を取得してからは、帰省した際に祖母に頼まれて車を出すこともありました。

当時や、今思えば父母が祖父母に気を遣っていたなぁと思うことはありましたか?

Cさん:私達が二階、祖父母が一階に住んでいたので、物音には気を遣っていたみたいでした。家で走り回ったりしていると、よく母に「下に響くからやめな!」って怒られたり。階段は静かに上がって来なさい、とかも言われました。
うるさくすると祖父母に怒られるからではないですよ。祖父母はすごく穏やかな性格だし、母も「何かしてもらったら、何かをして返す」みたいな当たり前のことをするぐらいのフラットでちょうどいい関係を祖父母と築いていると思うので、物音で迷惑をかけないっていう当たり前のマナーを守りたかっただけだと思います。

Tさん:気を遣う……見ていて分かるようなことはなかったですね。嫁姑っていうのとは別で、うちの祖母は高齢になってもすごく元気で何でも自分でやろうとしていたので、キッチンで火を使ったりバイクに乗ったりするのをさすがに危ないとやんわり止めるのに気を遣っていたんじゃないかな?と思います。
俗にいう嫁姑問題みたいなものはなかったと思いますし、祖母が亡くなって10年以上経つ中で母や親戚から思い出話をいろいろ聞いてきましたが、母と祖母の関係性が悪くなったことはなかったみたいです。人望の厚い祖母だったようなので、母も尊敬していたんだろうなと言葉の節々から感じます。

この先自分も家を建てるなら、二世帯住宅は選択肢に入りますか?

Yさん入ります!母の話を聞いていると、食事当番など家事のルールを決めておけば問題なく暮らせそうだなと感じるので。お互いの性格の相性もあると思いますけどね。

Cさんケースバイケースです。私自身は祖父母のいる環境で育って良かったけど、自分の祖父母がこういう人だったから良かったとも思います。同居相手の特性にもよるんじゃないかなと。
なので無条件で二世帯住宅は良いぞとは言えないんですが、経験談として「メリットもたくさんある」と言うことはできますね。祖父母のことを家族として好きになれると思います。

Tさんありですね。もう妻と子どもと暮らす家を建てて住んではいますが、将来的にどちらかの親が一人になって私たちと同居したいと思うなら、妻も私も受け入れるつもりでいます。そうなったら、部屋が足りないので増築はすると思いますけどね。

●Yさん、Cさん、Tさん、インタビューにご協力いただきありがとうございました!
二世住宅で育ったお三方にとって、祖父母との暮らしにはメリットを感じることが多かったようですね。これから二世帯住宅を建てる方、二世帯同居を悩んでいる方にとっては心強い経験談だったのではないでしょうか。

ひかわ工務店の二世帯住宅コラムシリーズは、こちらからもご覧いただけます!ぜひ参考にしてみてくださいね。

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