【お洒落に暮らす】デザインコラム#12「シンプルな家は窓で決まる」

デザインコラム

こんにちは、ひかわ工務店です。ひかわ工務店自慢のデザイン力でお洒落に暮らすためのデザインコラム。第12弾は、「シンプル」と「窓」の関係についてのお話です。

▽デザインコラムバックナンバー
#1「照明計画」
#2「キッチンデザイン」
#3「ブルベ/イエベから考える色使いのルール」
#4「暮らしを自分でデザインする収納力」
#5「素材の選び方」
#6「間取りは“家具”から見えてくる」
#7「北欧シンプルモダンの作り方」
#8「独立洗面所のすすめ」
#9「玄関デザインの大切なポイント」
#10「自分の好きなテイストの見つけ方」
#11「遊び心の映える家とは」

「シンプル」の基本は線の少なさ

ひかわ工務店でも「北欧風」などと掛け合わせることの多いシンプルスタイル。
シンプルなデザインと聞くと、白や黒でまとまった色数の少ないデザインと感じるかもしれませんが、実はシンプルスタイルで最も重要な要素は【線の少なさ】です。

ここで一旦、ご自宅の内観を思い浮かべてみてください。
普段何気なく見ている景色を、今からスケッチするとしたら?その空間にはたくさんの描くべき「線」が現れていることに気が付くはずです。


例えば……
・扉の枠や窓の枠、窓サッシ
・床板や壁紙の柄、切れ込み
・ソファやベッドなどの家具
・照明器具やテレビなどの家電
・棚や棚板、階段、収納扉の枠
などなど、数えきれないほどの「線」で空間が構成されているのです。

想像上の「自宅のスケッチ」から、こういった「線」を減らしていくと、どんどん絵自体がシンプルなものになっていきますよね。
まさにその状態が「シンプルスタイル」の目指すところ。見た目の「線」をいかに減らすかが、シンプルスタイルの完成度に非常に大きく関わります。

線を減らすのに最も有効なのは「窓」

家の外からも中からも見えて存在感のある「窓」の線を減らすことは、完成度の高いシンプルスタイルの実現に最も効果的と言えます。
窓の数を減らすことでも線は減りますが、それ以外の方法で窓の線を減らすには、線を重複させたり、馴染ませたりすることも有効です。

例えば天井から床までの高さがある窓を設置した場合。中からは上下の窓枠の存在をほとんど感じられなくなり、外から見ても、サッシが軒やデッキに隠れて目立たなくなります。

また、一階と二階で同じ幅に窓を取り付け、その中間の“余白”となる外壁の色をサッシに合わせることで、線が馴染んで「ひとつの大きな窓」であるような視覚効果を狙うこともできます。

窓の設計は家の構造に関わるため、建物の強度や性能を重視するほど自由自在に位置を調整するのは難しくなります。
特注の寸法のサッシでなく、既製品のサッシを使って窓の線を減らすためには、試行錯誤を重ねながら設計図面と向き合い続けることのできる設計士の腕や根気も必要なのです。
完成度の高いシンプルスタイルで家をデザインしたいとお考えの方にとっては、そういった信頼できる設計士を見つけることも大切な要素のひとつですね。

▼線を減らすことは気密性や断熱性に影響がある?

単純に考えると、線がいちばん多い窓は「引き違い窓」で、引き違い窓は気密性を損失しやすい部類に入るため、線を減らす=引き違い窓を減らすという意味では気密性の向上につながります
(厳密には設計や施工精度の高さの方が重要なので、あくまで窓単体で考えると、という前提です)

引き違い窓はひとつの窓枠に二枚の窓をはめて、車輪をつけて可動式にすることで左右のどちらでも開けられるようになっている窓です。
開けやすいため大きな窓にも向いており、他の種類の窓と比べて安価なことが多いため重宝されますが、車輪をつけて動かすための“空間”がある分、気密性にも影響が出てしまいます。

引き違い窓や上げ下げ窓といった二枚構成の窓は真ん中にサッシの「線」が出ますが、片開き窓や滑り出し窓の場合は真ん中の線がなくスッキリしていて、窓一枚で構成されているため引き違い窓よりも気密性を確保しやすい部類の窓です。
リビングなどに大きな窓を設けたい場合には、写真のようにFIX窓(開け閉めできない固定窓)と片開き窓を組み合わせる方法もありますよ。

断熱性については、「線」よりもサッシの種類が重要になってきます。既存の製品では樹脂製のサッシが最も断熱性を期待できますが、樹脂製サッシの見た目やメンテナンス性を気にする場合にはアルミと樹脂の「複合サッシ」もおすすめです。

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