対談コラム
【超入門!ざっくり家づくり講座】#20「耐震・制震・免震の違いって?どれがいちばん良いの?」
家づくり講座
こんにちは、山梨県甲斐市のひかわ工務店です。
1995年の阪神淡路大震災以降、度重なる大地震に見舞われた日本の家づくりシーンでは「地震に強い」かどうかが重要視されるようになりました。特に耐震・制震・免震の3つのワードは、CMなどでもよく耳にしますよね。
今回は、この「耐震・制震・免震」についての解説です!
▼前回はこちら(バックナンバーは最下部にあります)
>>#19「無垢材・自然素材って何?メリットだけじゃなくデメリットもある?」
▼ざっくり耐震・制震・免震を説明すると
詳細の前に、まずは各仕組みのざっくりとした特徴を説明します。
・耐震(たいしん)
地震の揺れに「耐える」力が強いのが耐震の特徴です。家という“箱”をより頑丈で強固なものにすることで倒壊のリスクを減らします。
・制震(せいしん)
地震の揺れを「吸収する」のが制震の特徴です。家の構造のどこかにダンパーなどの「制振装置」を取り付けて揺れを吸収することで、受けた力に対して少ない揺れで済みます。
・免震(めんしん)
地震の揺れを「受け流す」のが免震の特徴です。一般的には基礎の上に「免震装置」という、建物の代わりに揺れてくれる装置を挟むことで、建物に伝わる揺れを大きく軽減します。
▼もう少し詳しく耐震・制震・免震を説明すると
・耐震<ちょい詳>
耐震“だけ”の建物は、頑丈なだけに地震力(地震によって建物にかかる力)を直に受けるため、大地震の際には大きく揺れます。
家具や家電も大きく揺れるため、家の中でも万全の地震対策が必要です。
耐震構造の家=頑丈な家は、建物が倒壊するリスクを減らすための「基本」でもあるため、制震は「耐震+制震」であり、免震は「耐震+免震」であると言えます。
・制震<ちょい詳>
制震の建物も地震力を直に受けますが、制震ダンパーなどで揺れを吸収するため、耐震のみの場合よりも少ない揺れで済みます。
耐震にも当てはまることですが、何度も揺れることによって建物にゆがみを生じさせる危険があり、断熱性や気密性の損失につながる可能性があります。
(建物のゆがみによって隙間ができたり=気密性の損失、断熱材が壁から剥がれたり=断熱性の損失の可能性)
けれども揺れが少なくなる分、命の危険が減ることも確かです。
・免震<ちょい詳>
免震は地震力を免震装置で受け流してくれるため、揺れだけでなく建物へのダメージも軽減してくれます。
家にとっても人にとっても最も安全な「地震に強い家」を実現できる可能性が高いのですが、なにぶん導入コストが高い(+400~500万円くらい)ため、新築戸建てで採用されることはまだ少ない印象です。
▼「キラーパルス」にも耐えられる方法は?
阪神淡路大震災や2016年の熊本地震でも起きたと言われている「キラーパルス」は、地震の細かい揺れと建物の揺れが共鳴する(共振現象)ことで、一瞬で非常に強い衝撃を引き起こす現象です。
この一瞬の大きな衝撃によって、阪神淡路大震災や熊本地震では多くの建物が損傷を受けました。熊本地震で全壊した建物の中には、2000年以降の“新耐震基準”で建てられた建物もあったのです。
キラーパルスに根本的に対抗できる方法は、より深い所で揺れをカットすることです。
一般的な免震装置は基礎の上に設置するため、建物を守れても基礎と免震装置はダメージを受ける可能性があり、熊本地震のように繰り返し大きな揺れを受けると損傷のリスクはさらに高まります。
一方で、ひかわ工務店で施工実績の多いスーパージオ工法の場合は「基礎の下」に、機械ではなく非常に丈夫なプラ製の箱を敷き詰め組み立てて、クッションとして働くことで免震効果を発揮し、結果的に減震=揺れを軽減します。
クッションの役割を果たす箱は、一つひとつは約5kgと軽量ですがその上に二階建て住居を10軒載せても壊れないというほど頑丈で、シンプルな構造なのでキラーパルスの直撃にも十分に耐えられると言えます。
さらに言えば、耐震・制震・免震などの地震対策と同じくらい、「地盤」についても考慮する必要があります。熊本地震や東日本大震災では、広い範囲で地盤の“液状化”被害が発生し、耐震性能の高い家が建物ごと傾いてしまった例が数えきれないほどありました。
スーパージオ工法は
・地盤改良を兼ねることができる
・液状化対策にも非常に優れた効果を発揮する(地盤保証、液状化保証つき)
・一般的な免震装置よりもはるかに導入しやすいコスト(免震保証つき)
など、いろいろな意味で地震に強い工法としておすすめです。詳しくは公式HPをチェックしてみてくださいね。
>>スーパージオ工法公式HP(地盤対策協議会)
▼ハザードマップも参考にしながら自分に合った地震対策を
耐震・制震・免震の特徴を把握したら、次はご自分の家づくりに知識を生かす番です!
国土地理院が作成しているハザードマップで実際に家を建てる土地の災害予測を参考にしながら、予算や家づくりへの価値観とうまく釣り合いのとれる地震対策を考えてみてください。
もちろん家づくりのプロである私たちがご相談に乗りますので、疑問点や不安な点は何でもお話しくださいね。
家づくり講座バックナンバーもぜひチェックしてください♪
▽超入門!ざっくり家づくり講座バックナンバー
#1「気密性って何?よく見かける『C値』って?」
#2「断熱性って何?『UA値』とは?」
#3「木造、鉄骨造、コンクリート造の違いって?」
#4「坪、平米、坪単価って?坪単価は2種類あるの?」
#5「工法って何?在来工法、ツーバイフォー工法って?」
#6「ZEH(ゼッチ)って何?太陽光発電で家計が賄えればZEHと呼べる?」
#7「ベタ基礎って何?ベタ基礎じゃない基礎って?」
#8「床断熱と基礎断熱の違いは?どちらが優れているの?」
#9「旗竿地とは?変形地は土地購入時や家を建てる時にどんな影響がある?」
#10「平屋建ては費用が高い」って、なぜ?平屋を建てる時に注意したいポイントは?
#11「外壁材の基本的な種類を学ぼう!前編:窯業系サイディング/モルタル(塗り壁)/ALCボード/タイル」
#12「外壁材の基本的な種類を学ぼう!後編:ガルバリウム鋼板」
#13「換気システム:第一種換気、第三種換気って?全熱交換は第三種でもできる?」
#14「家づくりに関わる24種類の『職人』さんを解説!」
#15「現代の『注文住宅』&『規格住宅』を正しく理解しよう!」
#16「『吹き抜け』の定義って?吹き抜けでも寒さを感じず快適に過ごせる家の特徴は?」
#17「キッチンの『形』いろいろ|カウンター、L字、アイランドなどの違いは何?」
#18「壁紙クロスって何?塗り壁とのちがいって?」
#19「無垢材・自然素材って何?メリットだけじゃなくデメリットもある?」
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