【超入門!ざっくり家づくり講座】#16「『吹き抜け』の定義って?吹き抜けでも寒さを感じず快適に過ごせる家の特徴は?」

家づくり講座

こんにちは、ひかわ工務店です。家づくりを始めた方の多くが、一度は「吹き抜け」を検討したことがあるのではないでしょうか。

今回の家づくり講座は、「吹き抜け」の意味や、冬場は寒くなると言われがちな吹き抜けがあっても快適に過ごせる家の特徴についてのお話です!

▼前回はこちら(バックナンバーは最下部にあります)
#15「現代の『注文住宅』&『規格住宅』を正しく理解しよう! 5つの家づくりルート」

そもそも「吹き抜け」とは?

吹き抜けとは、一階と二階など複数の階をまたがって広がる「大きな空間」を指します。床がないため「延床面積」※には含まれませんが、「施工面積」※には多くの場合、含まれます。

※延床面積…えんしょうめんせき/のべゆかめんせき。建物各階の「床」の面積を合計した数値で、建築確認申請や登記の際に使用する正式な面積です。
※施工面積…決まった基準のない言葉ですが、多くの場合は延床面積+延床面積に含まれない施工部分(吹き抜けやバルコニー、ロフトなど)の合計を施工面積として算出します。

ちなみに階段も「複数階をまたがる大きな空間」なので、家づくりの際には“吹き抜けている箇所”と考えて問題ありません。(法律的には、階段は吹き抜けの扱いにはなりません)

▼吹き抜けのメリットは?

吹き抜けをつくる最大のメリットは、何と言っても「開放感」と「明るさ」です。
大きな空間で過ごす気持ち良さや、より採光効率の良い二階から光が差し込むことによる自然な明るさには、本能に訴えかけるような魅力があります。
LDKの開放感とその他の部分とのギャップもまた家の“表情”となり、無意識下で感性を刺激することで、子供がのびのび育つ環境としても一役買ってくれるという側面も。

他のメリットは、
・二階の吹き抜け横スペースや、リビング階段など、子どもの居場所が増える
・吹き抜けの上部に洗濯物を干したり、柵に布団を掛けたりすると乾きが早い
など。
見た目がお洒落というだけでなく、生活に役立つメリットも意外と多いのです。

ちなみにひかわ工務店では人間工学の観点から、ダイニングに吹き抜けをつくることをおすすめしています。明るいダイニングで朝食をとることで活動的な一日を過ごし、その分夕方~夜のリラックスタイムをゆったりと過ごすことができるため、ホルモンバランスが整って良い生活サイクルを保つ助けになります。

※ダイニング吹き抜けや照明効果に関する過去ブログもぜひご参照ください。
>>吹き抜け?和室?これから主流になる間取りのトレンドを大予想!
>>【お洒落に暮らす】デザインコラム#1「照明計画」

吹き抜けのデメリットは?

吹き抜け最大のデメリットは「家自体に十分な性能・機能性がないと、冷暖房費(特に暖房)のランニングコストが高くつく」ことです。

吹き抜けのある“快適な”家の主な特徴は、
・断熱性が高く、外気の影響を受けにくい&空調効果が逃げて行かない
・気密性が高く、換気システムがつくる家全体の空気の流れをスムーズにできる
ことです。

しっかりと計画された24時間換気システムによって家の中に常時「空気の流れ」をつくり、その流れに乗せて、空調で快適になった空気を循環させる。つまり、「吹き抜けがある“から”空気の流れができて快適になる」というのが、吹き抜けをつくって快適に暮らせる家の真実なのです。

さらに言えば、換気や空調の機械も、頻繁なメンテナンスや膨大なランニングコストがかかるようなものではなく、最低限のお手入れと維持費で運用できるものを選ぶと、金銭的にも精神的にもより快適な家になります。

他のデメリットは、
・床が減る分、部屋や収納の数も減る
・吹き抜けを設けた分、家自体を広くすると、建築費も高くなる
など。

吹き抜けを設けることによって居住空間が狭くなることに抵抗感のある人は多いと思いますが、上述のように「吹き抜けがあるからこそ快適な家を実現できる」という前提ができると、少し話の風向きが変わってきます。

人それぞれ持っている“家づくりのテーマ”を掘り下げていった時、もし「家族の健康」や「家族の笑顔」を何よりも大切にしたい!と結論づけたならば、部屋の広さや収納の多さよりも「家の快適性」の方が重要だと考えられるのではないでしょうか。
吹き抜けやリビング階段を設けた上で、最大限に工夫した収納量の中で暮らしていくのがいちばん「良い暮らし」とも、考えられますよね。

※収納力についてのコラムもぜひ参考にしてみてください。
>>【お洒落に暮らす】デザインコラム#4「暮らしを自分でデザインする収納力」

図解:吹き抜けのある家と吹き抜けのない家の違い

吹き抜けのない家
多くの場合、一階よりも隣家の影響を受けにくい二階の方が、窓から入る光が多くなります。ご実家を思い返すと、一階のリビングよりも二階の居室の方がポカポカと暖かく昼寝がはかどった……なんて方も多いのではないでしょうか。
吹き抜けがない場合、このポカポカの日差しは“二階の床を暖めるだけ”になってしまいます。

また、自然の摂理で暖かい空気は上昇し、冷たい空気は下降するため、シーリングファンなどの空気を循環させる道具がないと、図のような気温の三層構造が生まれます。
すると、床から子どもの頭のあたりまで「冷たい空気」しかないため、一階のリビングでも二階の自室でも、寒い思いをさせてしまうことになるのです。

図のように吹き抜けはなくても「リビング階段」があるケースでは、二階の足元に溜まった冷たい空気と、一階の頭上にある暖かい空気とが階段の空間を介して入れ替わってしまうため、リビングの快適性が損なわれることになります。

“吹き抜けを設けるか悩んだ結果、間をとってリビング階段だけつける”という人も少なくないのですが、リビング階段のみでは空気の循環も作りづらいため、あまりおすすめできません。それでもリビング階段のみを取り入れたい場合には、リビングに冷気が流れ込まないように工夫や対策が必要です。

吹き抜けのある家>
吹き抜けのある大きな空間でも、気温の三層構造は生まれます。そのため、天井にシーリングファンを設けて空気を大きく循環させています。
冬は暖かい空気を一階へ押し出す方向(下降)へファンを回転させ、夏は冷たい空気を二階へ引き上げる方向(上昇)にファンを回転させることで全体の気温を均一にするのです。

また、個室を使用しない時はドアを開けたままにするなどの工夫をすると、個室も含めた家の隅々まで空気を循環させることができ、少ない冷暖房で最大限の効果を得られます。
空気の循環が困難な場合には、適所にエアコンなどの空調設備を設置することで、家全体の空気を「快適な温度」で循環させることができます。

──

これからの新築住宅は、こうした「大空間の中で空気を循環させて快適性を確保できる家」がスタンダードになっていきます。広々として、家族の存在をいつも感じられる家では、子どもたちの情緒が安定して感性豊かに育ってくれるのではないでしょうか。

このブログを読んでくださっている皆さんもぜひ、吹き抜けのある快適な家づくりを検討してみてくださいね!

▽超入門!ざっくり家づくり講座バックナンバー
#1「気密性って何?よく見かける『C値』って?」
#2「断熱性って何?『UA値』とは?」
#3「木造、鉄骨造、コンクリート造の違いって?」
#4「坪、平米、坪単価って?坪単価は2種類あるの?」
#5「工法って何?在来工法、ツーバイフォー工法って?」
#6「ZEH(ゼッチ)って何?太陽光発電で家計が賄えればZEHと呼べる?」
#7「ベタ基礎って何?ベタ基礎じゃない基礎って?」
#8「床断熱と基礎断熱の違いは?どちらが優れているの?」
#9「旗竿地とは?変形地は土地購入時や家を建てる時にどんな影響がある?」
#10「平屋建ては費用が高い」って、なぜ?平屋を建てる時に注意したいポイントは?
#11「外壁材の基本的な種類を学ぼう!前編:窯業系サイディング/モルタル(塗り壁)/ALCボード/タイル」
#12「外壁材の基本的な種類を学ぼう!後編:ガルバリウム鋼板」
#13「換気システム:第一種換気、第三種換気って?全熱交換は第三種でもできる?」
#14「家づくりに関わる24種類の『職人』さんを解説!」
#15「現代の『注文住宅』&『規格住宅』を正しく理解しよう!」

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>>住み方編はこちら 
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