【超入門!ざっくり家づくり講座】#18「壁紙クロスって何?塗り壁とのちがいって?」

家づくり講座

こんにちは、ひかわ工務店です。
今回のざっくり家づくり講座は、「クロス」とも呼ばれる壁紙や、塗り壁、エコカラットなど、壁の仕上げ材について解説いたします!

▼前回はこちら(バックナンバーは最下部にあります)
>>#17「キッチンの『形』いろいろ|カウンター、L字、アイランドなどの違いは何?」

現代の住宅で使われる主な「壁の仕上げ材」
最初に上げた壁紙や塗り壁、エコカラットなどは、すべて「壁の仕上げ材」を指している言葉です。ここでは、現代の住宅でよく使われるものについて紹介します。

壁紙

壁紙は、ビニールクロスや紙クロス、布クロス、珪藻土クロスなどの、壁(や天井)に貼り付ける仕上げ材の総称です。現代の日本で最も使用率の高いビニールクロスは、ポリ塩化ビニール樹脂をシート状にした物の裏側にさまざまなデザインを施した紙を貼り付けることで、手軽にお洒落を楽しめるため人気を集めています。
現代では、「クロス」とだけ呼ばれる場合には大体このビニールクロスを指していることが多くなっています。

紙クロスは文字通り紙で仕上げられていて、和紙製のものを和室に使うなど、アクセントとしても人気があります。
布クロスは高級感、珪藻土クロスは塗り壁に似たデザイン性や調湿などの機能性などから選ばれやすいものの、どちらもビニールクロスと比べるとお手入れが少し煩雑です。

塗り壁

正確には「塗り壁」は仕上げ材の名称ではなく、下地となる壁面に土などの素材を何層にも塗り上げ、最後に土や漆喰、珪藻土などの仕上げ材で表面を仕上げた壁のことを指しているのですが、現代の家づくりにおいては表面の仕上げ材が“コテで塗るタイプのもの”である場合に塗り壁と呼ぶことが多くなっています。(写真はモールテックス仕上げ)
左官職人の技術によってさまざまな模様に仕上げることができ、その独自性の高いデザインや継ぎ目のない美しさからも人気の高い仕上げ方です。
また自然素材のみで構成されているものが多いため、ビニールクロスなどに比べるとシックハウス症候群(※後述)を引き起こす物質が放出される心配がなく、身体にやさしい壁材としても知られています。

タイル

タイルは耐水性の高さから主にキッチンや洗面所、トイレなどの水回りに使われています。近年リビングや玄関などに好んで使われるようになったLIXILの「エコカラット」も、タイルの一種です。
エコカラットは目に見えない小さな穴がたくさん開いた素材をタイル状に焼き上げた商品で、調湿効果や脱臭効果を売りにしています。
一般的なタイルは耐水性や耐久性=水がかかっても平気なところがメリットなので、同じタイルという枠組みの中でも特徴が異なるためご注意ください。

(図:エコカラット公式HPより引用)

  

シックハウス症候群について

建材に使われる化学物質など、さまざまな物質が居住者に体調不良を引き起こすことがあり、それらの症状を総称としてシックハウス症候群と呼びます。同じ家に住んでいても発症する人としない人があり、個人差の大きい症状です。

現在は建築基準法でホルムアルデヒドなどシックハウス症候群の原因となる物質の使用量が厳しく制限され、24時間換気の義務化もあって住宅の安全性はかなり向上しています。

ビニールクロスに関しては、かつては壁紙自体や、壁紙を下地に貼り付けるための糊などに含まれる化学物質が問題視されていましたが、近年では「日本壁装協会」の定めた安全性が極めて高い商品を使用する住宅会社が大多数を占めているため過剰に心配する必要はありません。

  

ビニールクロスが主流になった理由

現代の住宅で圧倒的に採用率の高いビニールクロスですが、多くのシーンで選ばれるのには理由があります。
① 塗り壁やタイルなどに比べて施工が容易なため、工期の短縮につながりコストダウンを見込める。また、大量生産できるため商品自体の価格も安い
② さまざまな柄や模様を楽しめるデザイン性の高さや、拭き掃除だけでほぼ汚れを落とすことのできる機能性の高さ
主にこの2つの理由から、住宅会社からもお施主様からも支持を集めているのです。

  

▼お洒落の観点では石材もおすすめ

レンガにも似た見た目の「凹凸」のある石材は、壁の仕上げ材に使用すると高級ホテルのような特別感のある見た目に仕上がります。さらに凹凸に間接照明などの光が当たると、壁面にランダムな影が生まれ、まるで家の中に大自然の一部を取り込んだような安らぎを感じられるのです。
(こうした自然現象に極めて近いランダムなゆらぎは「1/fゆらぎ」と呼ばれ、科学的にもリラックス効果が証明されています)

石材はビニールクロスに比べると施工コストが上がることが多いのですが、他では表現できない凹凸が生み出す唯一無二の模様を楽しみたい!というお洒落さんにはうってつけの仕上げ材ですよ。

──
壁の仕上げ材は家中の壁と天井に使用するものなので、単価で見るとわずかな違いでも、総額になると大きなコストアップにつながります。
今回ご紹介した内容を参考にして、自分の家にはどんな仕上げ材を使おうか?アクセントに使うなら、どの素材をどんな風に取り入れようか?と目星をつけられると良いですね!

  

▽超入門!ざっくり家づくり講座バックナンバー
#1「気密性って何?よく見かける『C値』って?」
#2「断熱性って何?『UA値』とは?」
#3「木造、鉄骨造、コンクリート造の違いって?」
#4「坪、平米、坪単価って?坪単価は2種類あるの?」
#5「工法って何?在来工法、ツーバイフォー工法って?」
#6「ZEH(ゼッチ)って何?太陽光発電で家計が賄えればZEHと呼べる?」
#7「ベタ基礎って何?ベタ基礎じゃない基礎って?」
#8「床断熱と基礎断熱の違いは?どちらが優れているの?」
#9「旗竿地とは?変形地は土地購入時や家を建てる時にどんな影響がある?」
#10「平屋建ては費用が高い」って、なぜ?平屋を建てる時に注意したいポイントは?
#11「外壁材の基本的な種類を学ぼう!前編:窯業系サイディング/モルタル(塗り壁)/ALCボード/タイル」
#12「外壁材の基本的な種類を学ぼう!後編:ガルバリウム鋼板」
#13「換気システム:第一種換気、第三種換気って?全熱交換は第三種でもできる?」
#14「家づくりに関わる24種類の『職人』さんを解説!」
#15「現代の『注文住宅』&『規格住宅』を正しく理解しよう!」
#16「『吹き抜け』の定義って?吹き抜けでも寒さを感じず快適に過ごせる家の特徴は?」
#17「キッチンの『形』いろいろ|カウンター、L字、アイランドなどの違いは何?」

  

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