対談コラム
【超入門!ざっくり家づくり講座】#23「エコキュートって何?給湯器の商品名?ガスでも使える?」
家づくり講座
こんにちは、山梨県甲斐市のひかわ工務店です。
現代の家づくりで多くのシェアを占めている給湯器の「エコキュート」。今回はエコキュートの仕組みや、他の給湯器との違いをざっくりご紹介していきます!
※給湯器・給湯機どちらでも同じ意味で使われますが、本記事では「給湯器」に統一しています。
▼前回はこちら(バックナンバーは最下部にあります)
>>#22「シーリングライトって?ダウンライトやペンダントライト、スポットライトとは何が違う?」
▼「エコキュート」は給湯器の種類の愛称
名前の響きから特定の商品の名前とも思われがちですが、エコキュートは「エコ」と「給湯」を合わせた造語で、ヒートポンプユニットを使った給湯器の種類の愛称(関西電力の登録商標)です。
正式には「自然冷媒ヒートポンプ給湯機」といいます。
ざっくり言うと、自然冷媒(CO₂)をヒートポンプユニットの中で圧縮することで発生する熱エネルギーで水を温め、貯湯タンクに熱いお湯を貯めておけるシステムです。
・電気温水器との違いは?
電気温水器もエコキュートと同様に「電気を使ってお湯を沸かす」給湯器で見た目も似ていますが、電気温水器の場合は貯湯タンクに内蔵された電気ヒーターで湯沸かしをします。とても大きな電気ポットをイメージすると分かりやすいかもしれません。
電気ポットのように大きな電力を使うため、電気料金の安い深夜帯※に湯沸かしを行うよう設定するケースがほとんどです。
※電力会社各社がそれぞれに展開している「オール電化プラン」など深夜帯の電気料金が安くなるプランを契約している場合に限ります。
▼オール電化とともに普及が進むエコキュート
「オール電化」住宅は、従来は都市ガスやプロパンガスで賄うことの多かった熱源をすべて電気に置き換えた住宅のこと。ざっくり言えばガス(で起こした火)を使わずに暮らす家のことです。
環境への配慮や、ガスを使わないことへの安心感、太陽光パネル設置に対する補助金制度などが後押しとなって、オール電化住宅の普及が進むとともにエコキュートの需要も広まっていきました。
エコキュートが普及した主な理由は、
・オール電化住宅でエコキュートを設置すると補助金が出る場合がある
・電気温水器と比べてランニングコストが安い
・IoTに対応していたりAIを搭載していたりと最新技術が詰め込まれている
など。
電気温水器はイニシャルコストが安いものの、エコキュートよりも電気使用量が多くランニングコストが高くなるため、「設置時に補助金が出るのであれば」とエコキュートを選ぶ人が多いようです。
(給湯器そのものの耐用年数は、一般的には電気温水器の方が長いとされています)
ちなみに都市ガスを引き込んだりプロパンガスを契約したりしてしまうと「オール電化」と認められませんので、オール電化による恩恵(補助金など)を受けたい場合はエコキュートか、電気温水器のどちらかを選ぶことになります。
▼ガス併用の住宅では「エコジョーズ」なども候補に
ガスを併用する(オール電化でない)住宅の場合には、エコキュートや電気温水器以外に「ガス給湯器」も候補に上がります。
ガス給湯器は貯湯タンクを持たず、お湯を使用するその時に湯沸かしを行うのが特徴です。
「エコジョーズ」は、従来のガス給湯器では排出されてしまっていた排熱エネルギーを使うことで、効率よく水を温める仕組みを持っています。こちらもエコキュートと同じく愛称のようなもので、東京ガスが商標を登録していますが、エコジョーズの方式を使っているガス給湯器には社を問わず「エコジョーズ」の名前が使われています。
ガス給湯器は「使う時だけお湯を沸かす」ことや「一度沸騰させた清潔なお湯」であることにアドバンテージがあるため、エコキュートや電気温水器のような貯湯タンクを持ちません。
災害時に貯湯タンクから生活用水を確保できないことや、ガスが電気や水道と比べて復旧が遅いことを念頭に置いた上で、導入を検討したいですね。
▼一日で最も消費エネルギーが多い「給湯」
政府の調べでは、世帯あたりの用途別エネルギー消費量で単一の用途として最も割合が高いのは「給湯」で28.8%でした。(資源エネルギー庁発行「エネルギー白書」2021年版より)
冷暖房や洗濯、照明、冷蔵庫やIHクッキングヒーターなども含めた、すべての消費エネルギーのうち1/4以上を給湯が占めているのです。
そのため、給湯に使う消費エネルギーが少なくなればなるほど、エコでお財布にも優しい住宅に近づくことができます。
家づくりの際にはぜひ、省エネ性やトータルコストのことも考慮して給湯器を選んでみてくださいね!
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